

セールスエンジニアとは?
セールスエンジニアとは、ITの技術的知識やスキルを用いて、自社の製品やサービスの営業活動をサポートする職種です。主に、ソフトウェアやIT機器などを販売する企業において、営業担当者と一緒に顧客を訪問し、技術者として自社の製品・サービスに関するアドバイスを行う役割を担います。訪問時に商品のデモンストレーションを実施したり、納品後の導入サポートや不具合・故障対応などのアフターサポートを行うこともあります。取り扱う製品・サービスに関する専門知識が特に求められる職種です。
営業職との違い
営業職は一般的に、自社の製品・サービスを売り込むために顧客にアプローチし、提案・交渉を行うことで売上につなげる役割を担います。一方でセールスエンジニアは、より専門的な知識が必要とされる商品について説明や提案を行うことが多く、エンジニア出身者が活躍することも多い職種です。
プリセールスエンジニア・FAEとの違い
プリセールスエンジニアは、主に製品・サービスの導入前の提案作業を行う職種です。製品・サービス導入後の設定やカスタマイズ作業まで担当することも多いエンジニアに対して、プリセールスエンジニアは顧客の要望に基づいた提案から、実際の導入までを対応します。また、FAE(フィールドアプリケーションエンジニア)は、特に半導体業界において半導体や電子部品などの知識やスキルを活用し、営業担当者に同行してサポートする職種です。
セールスエンジニアの仕事内容
セールスエンジニアは、顧客への製品・サービスの提案だけでなく、技術的なサポートも行います。主に、以下の3つの役割を担います。
クライアントへの自社商品の紹介・提案
営業担当者に同行し、自社の製品・サービスの良さを技術的な立場から顧客に説明・提案することがセールスエンジニアに求められる大きな役割です。自分たちの商品を購入(導入)することで得られるメリットや、できること・できないことを明確に説明し、顧客の質問や要望に対応する必要があります。また、実際に商品のデモンストレーションを行いながら説明することで、資料や口頭の説明では伝わりにくい商品の良さを直感的にアピールするなど、専門的な見地から商品提案をサポートします。
商談成立後、営業部門と技術部門の橋渡し
セールスエンジニアの業務は、商品提案における営業担当者のサポートだけではありません。商談が成立した後に、顧客から新たな要望が挙がってきた場合に、営業担当者と技術部門の間に立って、顧客が求めていることをかみ砕いて的確に伝え、要望の実現に向けたスムーズな進行を手助けすることも、セールスエンジニアの重要な役割です。逆に、技術部門から顧客に対する要望や質問が出てきた際にも、窓口である営業担当者に的確に伝え、必要な情報を得られるように努めることも必要です。
納品後のアフターサポート
商談が決まるまで丁寧に対応していたとしても、その後の対応が悪ければ、顧客からの信頼を失いかねません。製品・サービスの納品完了後に、顧客へのアフターサポートを行うことも、セールスエンジニアの重要な仕事です。研修などを開催して製品・サービスの使い方や活用方法について顧客にレクチャーしたり、運用状況の定期的なチェックを実施したりすることもあります。システムトラブルなどが発生した場合には、営業部門や技術部門と連携して迅速に修理・修正を行うとともに、原因究明や再発防止策を検討することで、顧客との信頼関係を強められる可能性があります。
セールスエンジニアの年収相場は?
セールスエンジニアの年収相場は、スキルや経験、業界によって異なります。年収の参考として、厚生労働省の「職業情報提供サイト(日本版O-NET)」<愛称:jobtag>で公開されているデータでは、「営業(IT)」の平均年収は654.6万円となっています。日本全体のビジネスパーソンの平均年収458万円と比較すると、年収は高いといえます。深い商品知識や技術力が求められる専門職であることから、一般的な営業職に比べて高収入が得られる傾向にあります。
参考:令和4年分 民間給与実態統計調査(国税庁)
セールスエンジニアがきついといわれる理由は?
セールスエンジニアは、突発的なトラブルや、日々の製品・サービスの運用保守、要望やクレームなどに迅速に対応することが求められます。顧客とのやりとりのなかで、技術的な話を相手に理解してもらえなかったり、逆に顧客の話が抽象的で理解できないケースがあるなど、コミュニケーションに課題を感じることがあるかもしれません。 しかし一方で、顧客の悩みや課題を解決した際には、相手から直接感謝の気持ちを伝えられることで、大きなやりがいにつながることも多いでしょう。エンジニアの中でも、特にこのような顧客との接点を持つことが多い点は、セールスエンジニアの大きな特徴であるといえます。また、セールエンジニアの技術的なサポートによって顧客から信頼を得て、商談成立につながった場合には、営業担当者からも感謝されることがあるでしょう。営業部門だけでなく、技術部門などの多くの関係者とつながりを持ちながら業務を進められるのも大きなポイントです。
【INTERVIEW】キャリア採用社員に聞く プリセールスエンジニアの仕事
Sky株式会社でもセールスエンジニアが活躍しており、仕事のやりがいや求められるスキルなどをWebサイトでご紹介しています。ぜひ一度ご覧ください。
セールスエンジニアに向いているのはどんな人?
では、実際にセールスエンジニアに向いているのはどんな人なのでしょうか。4つの特徴に分けてご紹介します。
相手のニーズに合わせて提案できる人
セールスエンジニアは、自社の製品・サービスを顧客にアピールし、導入して効果的に使ってもらうことを役割としています。そのためには、顧客に製品を売り込むだけでなく、信頼関係を築いて相手のニーズを引き出すことが重要です。顧客が求めるニーズを適切に理解するためには、相手の立場で物事を考えることが不可欠になります。そして、製品・サービスが顧客にとってどうメリットがあるのかを明確に伝えるためには、専門的な技術知識がなくても理解できるように説明するプレゼンテーション能力も求められます。
学習意欲が高く、業界動向に対するアンテナが高い人
セールスエンジニアには、自社の製品・サービスに関する深い見識が求められ、顧客からの技術的な質問や要望にも的確に答える広範な知識が必要とされます。自社の製品などに限らず、ITに関する最新の業界動向や技術トレンドに常にアンテナを張り、知識を習得する意欲があれば、顧客の要望に迅速に対応できるだけでなく、その一歩先を行く革新的な提案を行うことができます。そのような提案を行うことで、顧客からの信頼をさらに高められる可能性があります。
臨機応変に対応ができる人
IT業界は市場環境の変化が速く、顧客のニーズも常に変化しています。セールスエンジニアには、これら変化を正確に把握し、臨機応変に対応できる柔軟性が求められます。そのためには、すでにご紹介したような顧客ニーズをくみ取る力や、新しい知識を吸収する積極性とともに、予期しない要求や課題に直面しても落ち着いて対応できる胆力が必要となります。自分たちの要望に対して、迅速かつ柔軟に対応してくれるセールスエンジニアは、顧客にとっても非常にありがたい存在です。
問題解決能力が高い人
セールスエンジニアには、顧客が抱える課題を解決するために高い問題解決能力が求められます。技術的なトラブルを冷静に分析し、効果的な対策を提案するためには、多くのスキルや経験、そして判断力が必要です。顧客の相談に対して的確な対応を行い、問題を解決できれば、信頼できる相談窓口としての立場を確立することができます。これにより、ビジネスを良い方向に導くことができ、顧客との関係も強化されるでしょう。
セールスエンジニアに必要なスキルは?
セールスエンジニアになるためには、製品・サービスに関する専門的な知識はもちろん、営業に関わるさまざまなスキルも必要です。
プレゼン・コミュニケーション能力
セールスエンジニアは「エンジニア」ではあるものの、実際の業務は営業に近い職種です。顧客に対して自分たちの製品・サービスを魅力的に説明するプレゼンテーション能力や、顧客との信頼関係を築くためのコミュニケーション能力などが重要になります。また、専門的な内容をわかりやすく説明するスキルも必要になるでしょう。エンジニアとしての技術的な知識とともに、これら営業面でのスキルを身につけておくことで、活躍の場は大きく広がっていくことになります。
課題解決力
セールスエンジニアにとって、課題解決力は非常に大切な能力です。顧客はさまざまな課題を抱えており、とおり一辺倒な対応では簡単に解決できないことも多いため、柔軟な発想力をもって対応していくことが求められます。また、顧客満足度を向上させるには、課題を迅速に解決するスピードも求められるため、顧客の課題や要望を素早く整理・分析する力や、時には「それは本当に必要なのか」という「批判的思考(クリティカルシンキング)」が必要になるケースもあります。
幅広い知識の収集とアップデート
営業担当者を技術面でフォローしていくためには、自社の製品・サービスに関する深い知識が求められます。顧客側の技術担当者とも対等にコミュニケーションを図るために、自社商品に関する知識以外にも、同じ業界の他社製品などに関する知識も幅広く身につけておくことが大切です。また、ITは日々進化していますので、新しい技術に関する知識は常に吸収するようにしておくことで、最新技術の話題に詳しい顧客からの信頼が高まったり、円滑なコミュニケーションにつながったりする可能性があります。
セールスエンジニアになるには?
セールスエンジニアとして働くまでのキャリアパスはさまざまです。エンジニアとして働いた現場経験を生かして職種を変更するケースや、営業職として働いた後に独学で技術的な知識を習得し、業務に役立つ資格の取得を目指すケースも考えられます。派遣社員としてセールスエンジニアの仕事に就く選択肢もあり、求人によっては技術職や営業職の経験があると優遇されますが、未経験でも応募可能な場合もあります。
営業職からセールスエンジニアへ
営業職からセールスエンジニアを目指すには、まず必要な技術的知識を身につけるために勉強することが求められます。プログラミング言語やネットワーク、サーバー、データベースなどのシステム開発・運用に関する知識や、開発プロセスについての知識を学ぶ必要があります。 独学で学ぶ場合には、資格取得を目標に学習すると効果的でしょう。経済産業省が主催する「ITパスポート試験」は、IT関連の仕事をする上で必要な基礎知識が問われる試験ですので、特にお勧めです。同じく、経産省が主催する「基本情報技術者試験」も、エンジニアになるために必要なベーシックな知識が求められる試験です。
技術職からセールスエンジニアへ
技術職からセールスエンジニアに転職する上では、顧客との信頼関係を築くためのコミュニケーション能力を養うことが重要になります。技術的な専門知識やスキルはすでに習得しているケースも多いと思いますので、それらを顧客にわかりやすく説明し、自分たちの製品・サービスの価値を効果的に伝えるプレゼンテーション能力をより磨く必要があるでしょう。また、セールスエンジニアとして働く上では、技術的な完成度を求めるだけでなく、顧客の課題と真摯に向き合い、顧客満足度の向上やビジネスの成功を重視する姿勢が必要である点も意識しておくことが大切です。
未経験からセールスエンジニアへ
学生の方など、未経験でセールスエンジニアを目指すためには、どうすればよいのでしょうか。ここでは、学校で学ぶ方法と、直接メーカーに就職して経験を積む方法についてご紹介します。
短大や専門学校で学ぶ
セールスエンジニアに必要な知識を学ぶには、ITやコンピューターなどの特定分野の知識・技術が勉強できる大学(短期大学)や専門学校に行くことをお勧めします。特に大学の場合は、電子工学などの関連分野で専門知識を体系的に学び、さらに学士取得ができれば、卒業後に就職先の幅が広がる可能性があります。
特定の業界・メーカーに就職する
セールスエンジニアが活躍しているIT・通信関連企業や、医療機器メーカーなどに就職することで、スキルを身につける方法もあります。これら企業では、自社が取り扱う製品(ソフトウェア)やサービスについて、社内で研修などが実施されることもあるため、ITの基礎知識や商品知識を身につけられる機会も多いでしょう。就職してすぐにセールスエンジニアとして配属されなかった場合でも、技術と営業力を養い、努力を続けることで、将来につながる可能性は高いと思われます。
資格を取得する
セールスエンジニアになるために必須となる資格は特にありませんが、客観的な評価を得るための資格取得は非常に有益です。 顧客のニーズを的確に理解し、最適なソリューションを提案できる能力を問う「ITストラテジスト」は、ITのトレンドや市場動向などの知識が必要となるため、実践的な試験といえます。ネットワーク関連の製品を扱う企業においては、CISCOのアソシエイトレベル認定が業務に非常に役立ちます。また、情報技術に関する基礎知識を広く学びたい場合には、まず「基本情報技術者試験」の取得を目指すことをお勧めします。さらに高度な情報技術の知識とスキルを問われる「応用情報技術者試験」なども、セールスエンジニアとしての専門性を証明する資格として有用です。
まとめ
ここまで、セールスエンジニアの基本的な仕事内容や営業職との違いをはじめ、年収、必要な能力、役に立つ資格などをご紹介しました。ビジネスにおけるITの進化とともに、顧客のニーズは多様化しており、確かな技術力と知識で的確なソリューションを提案できるセールスエンジニアの需要は今後さらに高くなっていくことが予想されます。セールスエンジニアとして働くことを考える上で、この記事でご紹介した内容が少しでも参考となれば幸いです。
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