【入門】Pythonを使った機械学習の仕組みやできること、学び方を解説

【入門】Pythonを使った機械学習の仕組みやできること、学び方を解説

近年、AI技術の一つである「機械学習」が注目されています。機械学習は画像処理や自動運転など、さまざまな分野での活用が期待されており、すでに身近なところでも導入が進んでいます。機械学習の実装には、豊富なライブラリとシンプルなコードが特徴のプログラミング言語「Python(パイソン)」が多く用いられています。Pythonはその使いやすさから、初心者から熟練のITエンジニアまで幅広い層に支持されています。この記事では、機械学習の基礎知識やPythonが支持される理由、Pythonを用いた機械学習の事例などをご紹介します。

機械学習とは​何か

機械学習とは、コンピューターが膨大な量のデータの読み込み、さまざまなアルゴリズムを使ってデータのパターンを学習させ、新たなパターンを見つけるといったことを実現する解析技術です。人間が日常的に行う「学習」に相当する仕組みをコンピューターで再現するものであり、AIを支える技術の一つです。

学習に使用するアルゴリズムは、読み込ませるデータの特性や機械学習を導入する目的に応じて最適なものを用意する必要があります。

機械学習と​AIや​ディープラーニングの​関係は

機械学習について調べると、AIやディープラーニングという単語が頻出します。それぞれの特徴と関係は以下のとおりです。

機械学習

機械学習は、入力と出力の関係を見つけ、さまざまなアルゴリズムを用いて解析する技術です。カメラの顔認識や車の自動運転などもこの学習によって可能となります。機械学習の手法によっては、モデルやデータセットなどを用意する必要があります。

AI

AIにはこれといった定義がなく、主に人間の知能を模倣した知的な機械のように理解されています。また、AIの研究は古くから始まっており、1950年代から現代まで続いています。機械学習とディープラーニングとの関係は、機械学習はAIを実現する技術で、ディープラーニングは機械学習で用いる手法の一つです。

ディープラーニング

ディープラーニングは、近年AIが注目される理由にもなっている、機械学習の手法の一つです。ニューラルネットワークという、脳の神経回路を一部模倣した数理モデルの多層の結合により従来の機械学習に比べ学習能力が向上しており、さまざまな分野で実用化が進んでいます。

機械学習の​基礎知識

機械学習を実装するには、「モデル」や「データセット」の準備、学習を行う際の手法の選択などが必要です。ここでは、機械学習における基本的な知識を紹介します。

機械​学習に​おける​「モデル」とは

機械学習における「モデル」とは、入力データを解析し、評価・判定の結果を出力して返すといった「入力データに対し、結果を算出する仕組み」を指します。例えば、画像データを入力した場合、画像データを解析してその結果を出力します。モデルに与える入力データや期待する出力結果は、機械学習の目的によって異なります。

具体例として、写真を分類するモデルを考えます。「猫」の画像データを入力すると、その画像内の情報を解析します。そして評価・判定を行った結果として、「猫」であると出力します。このとき正しい結果を出力できるかは、トレーニングで与えたデータ量に依存します。事前に特定の対象やパターンを学習させることで、モデルの精度が向上します。

機械​学習に​おける​「データセット」とは

機械学習では大量のデータを学習して予測を行いますが、そのために「データセット」が必要です。データセットは、モデルの学習に使用する入力データと、特定の対象を表すラベルがセットになったデータの集合体で、入力データは画像や動画、音声ファイルなどを使用します。

先ほどの例のように「猫」を認識させるデータセットでは、「猫」をラベルとして扱います。大量の画像データから「猫」を学習したモデルは、画像から「猫」を識別し、正しく結果を出力できます。しかし、このデータセットには「犬」というラベルがないため、「犬」を識別することはできません。

データセットの量と質を十分にそろえることで、機械学習の精度がより高まります。そのため、目的を明確にして必要なデータセットの内容を検討することが重要です。

機械学習の​3つの​手法

機械学習には3つの学習方法があります。データセットから正しい識別を行ったり、コンピューターが自動的にパターンを見つけたりするために、目的に応じて適切な手法が用いられます。ここでは、各手法について具体例とともににご紹介します。

教師​あり学習

教師あり学習とは、事前に学習データに正解のラベルを用意し、大量のデータから入力と出力の関係を学習させる方法です。モデルの識別能力を向上させると、正解ラベルとそのほかのデータの特徴を自動で見分けられるようになります。

教師あり学習には「分類」と「回帰」の2種類があります。分類は、入力データにある対象が属するカテゴリを予測する方法で、例えば、動物の画像データから名前を予測したり、新着メールがスパムメールかどうかを予測したりします。特に、ある要素に当てはまる、そうでないかという2択を予測する場合を「二値分類」といいます。

回帰は、連続した値の傾向を基に数値を予測する方法で、過去のデータから未来の数値の予測を可能とする手法ともいえます。例えば、天候や平均気温のデータと、商品販売個数のデータとの関係を学習させることで、天候条件ごとに期待される売り上げを予測する際に活用されます。

教師なし学習

教師なし学習とは、学習データにラベルを付与せず、データセットのパターンからデータ同士の関係を認知させる手法です。特定のパターンを集め、集団として分けることを「クラスタリング」といい、分けられたデータの集団を「クラスター」と呼びます。

例えば、大量のメールを教師なし学習で学習させる場合、それぞれのメールの特徴に基づいてクラスタリングします。しかし、正解を与えていないため、どのような特徴のクラスターであるかは人が解釈する必要があります。

強化学習

強化学習とは、AIが試行錯誤を通じて設定されたスコアを最大化するための行動を学習する手法です。教師あり学習や教師なし学習と異なり、最初からデータがなく、正解の予測が困難な場合でも、学習の繰り返しによって最適な行動を選択するようになります。

例えば、グーグル社が開発した囲碁AI「AlphaGo」があります。囲碁は手のパターンが膨大で、最新のコンピューターでも手を読み切るのは難しいです。強化学習でも勝ちまでの手を読み切る訳ではなく、どの手を打てば勝ちに近づけるかという行動を学習するため、強化学習を用いたこのAIが、囲碁のプロ棋士に勝利した事例もあります。教科学習は、このほか将棋AIや車の自動運転技術の状況判断などでも活用されています。

機械​学習に​Pythonが​使用される​理由

機械学習で使用されるプログラミング言語には、Java、C、C++、Python、JavaScript、R、Scala、Julia、Octaveなどがあります。この中でも特にPythonが、多くの開発で採用されています。Pythonは、シンプルなコードで記述が可能なことや、ライブラリが豊富なことが特徴だといわれています。ここでは、機械学習においてPythonが選ばれている理由を紹介します。

コードが​シンプルで​理解しやすい

Pythonは、書きやすく読みやすいように開発されたプログラミング言語で、ほかのプログラミング言語に比べてコードの記述が少なく、コーディングにかかる手間を減らせます。また、インデントでコードの固まりをブロックとして明確に指定するオフサイドルールという規則によって、コードの可読性が高まり、スムーズなソースレビューやコード変更が可能となります。

機械学習用のコードは複雑になりがちですが、この特徴によってシンプルな記述が実現でき、開発効率を向上しやすいことから、機械学習の多くでPythonが採用されています。

多数の​企業で​採用実績が​ある

Pythonは人気のプログラミング言語で、多くのIT企業で採用実績があります。例えば、メタ社の「Instagram」やグーグル社の「YouTube」などがPythonで構築されています。また、グーグル社ではオフィシャル言語のようにPythonが活用されています。

そのほかアマゾン社でも、顧客が検索した情報を基にしたレコメンドする機能にPythonを使用しています。こうした著名なWebサービスだけでなく、規模の大小を問わず多くのサービスでPythonは採用されており、これらの導入実績からもPythonの信頼性の高さがわかります。

ライブラリや​フレームワークが​充実している

Pythonは、機械学習に関するライブラリやフレームワークが豊富にあります。特に、機械学習に必要な専門的で難易度の高い関数などをまとめたライブラリが多く提供されており、ほかの言語での開発に比べて効率的に開発を進められます。

よく使用されるPythonのライブラリに、「Numpy」や「pandas」、「scikit-learn」などがあり、データを可視化するためのライブラリも充実しています。3Dグラフなどさまざまな形式で機械学習の結果や分析結果を可視化できるため、多くの開発で採用されています。

Pythonを​活用した​機械​学習に​よって​できる​こと

AIの開発では効率的に機械学習を実装するため、多くの場面でPythonが採用されています。ここでは、Pythonを活用した機械学習によって実現できる具体例をいくつか紹介します。

自動運転

人間が車を運転する際、目や耳といった五感から得た情報を基に、脳が最適な車の速度や進路などを判断(認知・判断)し、その判断結果が手足に伝達され、ハンドルやペダルの操作(制御)が行われます。

自動運転では、人間が行っている認知や判断、制御に当たるものをAIが行います。車両に搭載されたカメラをはじめとする各種センサが人間の五感の代わりとなり、歩行者や対向車、標識、車線といったさまざまな交通状況を認知します。AIはこれらの情報に基づいて最適な判断をし、車両を制御します。これらのプロセスを実現するには、複雑な仕組みを構築する必要がありますが、Pythonの豊富なライブラリを活用することで、効率的に開発できます。

自動運転技術が発展することで、例えば、ドライバーの運転支援機能は、疲労などが原因で発生する交通事故の防止に役立つなど、交通安全の向上が期待されています。

画像の​分類・顔認証

Pythonで顔認証技術や画像の分類システムを開発する際は、グーグル社が開発した「TensorFlow」やインテル社が開発した「OpenCV」を使用します。これらのライブラリには、画像処理や画像解析、機械学習などの機能がまとめられています。顔認証技術は、顔の領域や目、鼻、口などの位置といった特徴をデータと照合する仕組みで、スマートフォンやPCのロック解除機能などに採用されています。

機械学習によって、画像の分類や顔認証の精度が大幅に向上しており、近年の顔認証技術はセキュリティレベルが高く非接触で認証可能なことから、医療施設や介護施設などの入退館管理などにも活用されています。

株価などの​変動予測

機械学習は、過去のデータからパターンを見いだし、どのように変化していくかを予測するのに役立つことから、株価などの変動を予測することにも活用されています。

具体的には、日経平均などの大量の過去データを基に、各指標の相関度を計算し、株価に及ぼす影響の程度をAIが算出することで値動きを予想します。中には、日経平均の値動きを高確率で予測するAIツールなども登場しています。

Pythonを活用して株価などの変動予測を行う場合、高度なデータ分析が可能な「scikit-learn」などが用いられます。ライブラリには回帰や分類、クラスタリングといったさまざまなアルゴリズムがそろっており、金融投資の予測するシステムなどを効率的に開発できます。

テキストマイニング

テキストマイニングは、膨大なテキストデータから価値のある情報を抽出する技術です。この技術で活用される自然言語処理とは、人間が普段から使う言葉を分析したり、生成したりする技術です。

Pythonでは、「MeCab」や「Janome」などの形態素解析と呼ばれるライブラリと、「WordCloud」という結果を可視化するライブラリを使用してテキストマイニングを行います。機械学習を活用することで、テキストマイニングで処理したデータを効率的に分析できます。

例えば、SNSやメディアを通じて集めたアンケートデータが数万件に及ぶ場合、人の手だけで内容を分析することは現実的ではありません。機械学習を活用することで効率的に分析でき、データに基づいた効果的なマーケティング施策がすぐに打てるようになります。

Pythonを​使った​機械学習の​効率的な​学び方

AI開発に携わる場合は、Pythonや機械学習に関する知識が必要です。実装スキルの効率的な習得には、自分でAIを開発してみることが近道です。Pythonはコードがシンプルで、JavaやCなど他の言語と比べると学びやすいため、学習のハードルは低いといわれています。

機械学習の実装では、Pythonの基本文法の習得が前提として求められ、モデルの選定に必要な数学の知識や、パターン認識モデル「サポートベクターマシン」などのアルゴリズムに関する知識も必要です。また、データの前処理としてデータを整形し、利用可能な状態にするために、SQLやR言語を使用した「データクレンジング」を行う場合もあります。

上記のとおり、機械学習には専門的な知識の理解に加えて、データベースの操作やPythonによるプログラミングなど技術的な部分も要求されます。そのため、まずはPythonの基本原則を身につけ、アルゴリズムの知識を学び、ライブラリを用いて機械学習を実践するなど段階的に学習を行うと、機械学習の理解が深まるだけでなく、AIに関する知識も増え、自身のキャリアの幅が広がるなどにつながります。

まとめ

この記事では機械学習の基礎知識や活用例のほか、Pythonが機械学習で選ばれる理由などをご紹介しました。近年AIに関する技術は急速に向上しており、業務効率化には必須のものとなりつつあります。そのため、機械学習を実装できる人材として多くの現場でAIエンジニアが求められています。

まずはPythonから学習をはじめ、徐々に応用的な内容の機械学習へステップアップしていくとキャリアの幅も広がります。この記事がPythonの学習や機械学習に取り組み始める方の一助になりましたら幸いです。

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