AIエンジニアとは? 仕事内容や必要な資格・スキルを紹介!

AIエンジニアとは? 仕事内容や必要な資格・スキルを紹介!

「ChatGPT」の登場などにより、世界から注目を集めるAI(人工知能)。この最先端技術の開発・活用を行うのが、AIエンジニアです。この記事では、AIエンジニアに関する基本的な仕事内容や年収相場、働くために必要な知識・スキル、おすすめの資格などについてご紹介します。

AIエンジニアとは?

AIエンジニアとは、機械学習やディープラーニング(深層学習)などの手法を用いて、AI(人工知能)の技術開発やAIモデルの構築を行い、企業のシステムやサービスへの導入を進める職種です。教師データを使ってAIに学習させる仕組み(アルゴリズム)を検討したり、教師データの管理方法や加工方法などの設計もします。

あらゆる産業でIT化が進むなか、スマートフォンの音声認識や、顔認証技術、病気の画像診断、自動車の自動運転、カスタマーセンターの相談支援など、さまざまな分野でAIの活用が急速に広がっています。今後AIが社会に浸透していくことで、AIエンジニアの活躍の場がさらに広がっていくと予想されています。

AIエンジニアの​種類

AIエンジニアは、大きく分けて2つの種類に分類されます。一つはAIモデルの考案や構築を行うエンジニアです。AIの学習に必要なデータを定義し、評価関数(AIモデルの性能を数値化する関数)やパラメーター、学習方法などを考えます。科学者、研究者に近いタイプの職業だといえます。

もう一つは、上記で考案されたAIモデルやアルゴリズムを実際に活用するエンジニアです。製造業や農業、医療などでの実践的な活用から、経営学や社会学など学術的な分野まで、その活用は多岐にわたります。これら2種類の役割は、必要とされる作業やスキルが異なることから、分業されることもありますが、1人のエンジニアが包括的に担うことも少なくありません。

AIエンジニアの​仕事内容

AIエンジニアの基本的な仕事は、ベースとなるAIモデルを企画・設計・開発し、大量のデータによって学習させることで精度を高め、実際にAIによるデータ分析を実施し、結果を各種リサーチに活用することです。所属する組織・企業やプロジェクト、チームなどによって対応する仕事内容や範囲は異なりますが、基本的な業務は共通しています。ここでは、AIエンジニアの仕事内容を「企画・設計」「AI開発」「AI学習」「データ分析」の4つの業務に分けてご説明します。

企画・設計

AIエンジニアの最も重要な業務ともいえるのが、ベースとなるAIモデルの開発です。実際の開発を進める前に、AIモデルをどのように作成するか決めていきます。AIが処理するタスクや、分析に利用するデータ、評価方法や期間などを企画・設計します。ビジネスにAIを活用するケースでは、開発によってどのような利益が得られるのかを明確にしておくことも重要です。

AI開発

開発の段階では、必要な学習用データを収集・処理し、AIモデルの作成や評価・検証を実施します。開発するAIモデルに応じたアルゴリズムを選定し、TensorFlowなどのフレームワークを利用して開発していきます。また、AIモデルを実際にシステムに実装していく際には、Python、Javaなどのプログラミング言語が必要になります。高い精度で継続してAIを稼働させるために、定期的なチューニングなどメンテナンス作業を行う場合もあります。

AI学習

大量のデータを処理させることで、AIの精度を高める学習を行います。AIエンジニアは、学習させるデータの収集・作成を行うほか、表記揺れや誤記、重複などの修正や不要なデータの削除などといった「データクレンジング」を行う場合もあります。AI学習の代表的な手法としては、大量のデータを反復してAIに読み込ませて法則性や関係性を見つけ出す「機械学習」や、脳のようなネットワークを組み合わせて複雑なパターンを学習しながら発見する「ディープラーニング(深層学習)」があります。

データ分析

学習を通じてAIが自動抽出したパターンやルールを用いて、データを分析し、状況判断を行います。音声や文章、画像などのデータをAIに分析させ、そこから得られた結果を各種リサーチに活用していきます。分析自体はデータサイエンティストやデータアナリストなどが対応し、AIエンジニアは必要なデータを提供する役割を担う場合もあります。

AIエンジニアに​なるには?

AIエンジニアは、比較的新しい分野における職種といえます。そのため、AIエンジニアになるために必要な学歴や資格などはまだ特に決まっておらず、求められる要件の基準も明確ではないのが現状です。

とは言え、現在AIエンジニアとして活躍している人の多くは、大学院で情報科学などについて学び、修士・博士号を取得しています。割合としては低いですが、大学卒業者(学士号取得)や高等専門学校・専門学校卒業者のAIエンジニアも存在しています。現状として学歴による偏りはあるものの、いずれの場合もAIに特化した学科を置く学校で専門知識を身につけることが、AIエンジニアになるための一つの方法といえます。

新卒採用で、企業・組織でAIエンジニアとして働く場合は、大学などでの研究実績や国際学会での発表、AI関連の各種コンペティションでの入賞等が、選考時の評価対象となるでしょう。AIエンジニアとして働き、キャリア採用で他社へ転職する場合は、それまでの業務実績が評価対象になります。そのほか、データサイエンティストなど隣接する分野の職種からAIエンジニアへ転身するケースも考えられます。

一方、キャリア採用で未経験からAIエンジニアになる場合はハードルが高いといえます。しかし、AIに関する専門知識やスキルを持ち合わせていたり、ひらめきの力など個人のポテンシャルが秀でていたりする場合は選考時の評価対象となり得るでしょう。

AIエンジニアの​キャリアプラン

現在、AIエンジニアの需要は非常に高く、AIエンジニアとなった後のキャリアプランも幅広い選択肢が考えられます。AI開発に特化したシニアエンジニアやマネージャーを目指し、企業・組織でキャリアアップを図っていくだけでなく、AIのスペシャリストとして研究機関等で学術研究を行い、技術発展に貢献するというケースも挙げられます。

そのほか、データアナリストやAI領域全般のコンサルタントとして、クライアントとなる企業・組織をサポートするという道もあるほか、より高い報酬が期待できる外資系企業に転職したり、フリーランスとして活躍したりするケースもあり、キャリアの幅を広げていくことが可能です。

AIエンジニアの​年収相場

AIエンジニアは非常に専門性の高い職種であり、AIに関する高度な知識やスキルが要求されるため、比較的高い年収が期待できます。日本国内の場合、厚生労働省の「職業情報提供サイト(日本版O-NET)」<愛称:jobtag>で公開されているAIエンジニアの平均年収は534万円となっています。また、アメリカではAI関連が日本よりさらに専門性の高い分野として位置づけられており、AIエンジニアの平均年収も約16万ドル(約2,360万円)とする統計データがあるなど、非常に需要の高い職種となっています。

今後AI関連の技術革新が進み、社会に定着していくなかで、AIエンジニアはさらに欠かせない職種として認知され、年収も高くなっていく可能性があります。

AIエンジニアと​して​必要な​知識・スキルは?

AIエンジニアになるためには、AI開発に必要なプログラミング言語や、機械学習、データベースなどに関する高い専門的知識を身につける必要があります。また、実践学習の中で課題解決などのスキルを磨いておくことも大切です。

プログラミングの​知識

AI開発では、機械学習を行うためにAIエンジニアがデータの前処理を実施する必要があり、そのためにプログラミングに関する知識が必須になります。機械学習に用いられる主なプログラミング言語にはPython、R言語、C++、Julia、JavaScriptなどがあります。特にPythonはよく利用される言語で、Tensorflowやscikit-learnなど、機械学習に適したライブラリやフレームワーク、AI学習のためのデータセットが充実しており、AIを用いたシステム開発で頻繁に使われます。

機械​学習や​アルゴリズムの​知識

アルゴリズムとは、問題解決に向けた計算方法や操作方法を指します。機械学習では、適切なアルゴリズムでAIにデータを学習させることで、さまざまな分析が可能になります。また、機械学習には「教師あり学習」「教師なし学習」「強化学習」などの手法があり、各手法に複数のアルゴリズムが存在します。AIエンジニアには、AIを効率的に学習させるために必要なアルゴリズムを見極め、活用するための知識が必要になります。

データベース運用の​ための​知識

AI開発には、学習のためにビッグデータの活用が不可欠です。そのため、AIエンジニアはこれらデータをデータベースに格納・処理するスキルや、クラウドに関する知識も身につけることが求められます。データベースの操作、制御に使われるデータベース言語として、SQLはぜひ押さえておくべき知識です。SQLはISOで標準規格化されているため、ほかのデータベースでも応用しやすいことから、さまざまなシーンで採用されています。

課題解決の​スキル

AIエンジニアは、複雑な課題に対応することが求められる職業です。課題解決のための新しいアルゴリズムやアプローチを考え、ツールやプログラムを駆使して改善策を提案することが求められます。そのためには、AIに関する知識だけでなく、むしろ課題分野そのものに対する専門知識が必要なケースが多々あります。金融、工業、製造、物流、農業などの業種や職種ごとに異なる仕組みや業務プロセス、市場などについて精通しておく必要があります。

AIエンジニアに​おすすめの​資格

AIエンジニアになるために、取得必須となる資格は特にありません。しかし、AIに関するリテラシーを証明するものとして、新たな知識を身につけて自分自身の技術力を向上させる手段として、関連する資格の取得に取り組むことも大切です。AIエンジニアにおすすめの資格は、次のとおりです。

AIエンジニアに​向いている​人の​特徴

必要な知識やスキル、おすすめの資格について紹介してきましたが、AIエンジニアに必要な適性としてはどのようなものがあるのでしょうか。AIエンジニアに向いている人の主な特徴をご紹介します。

物事を​論理的に​考える​人

大量のデータに基づいて学習し、予測する技術であるAI。この技術を開発・活用するには論理的思考力が欠かせません。特にAIは、数学的なアルゴリズムを基にして動作するため、線形代数や確率、統計や微分・積分といった数学的概念を理解し、応用できる能力がある人がAIエンジニアに向いているといえます。

データ処理・分析が​好きな​人

データの処理や分析が好きな人も、AIエンジニアの適性があるといえます。データの特徴を捉えて適切なアルゴリズムを選択し、得られた結果を分析することが、AIを活用する一連のプロセスです。データに向き合うこれらの作業が好きな人は、高いモチベーションでAIエンジニアの業務に取り組めるといえます。

課題解決への​意欲が​高い​人

AIエンジニアは、直面している課題に対して新しいアルゴリズムやアプローチを考案し、さまざまなツールやプログラムを駆使して、改善策を提案します。課題に対して誠実に向き合い、いろいろな角度から解決策を模索する人、課題の解決を楽しむポジティブ思考の人はAIエンジニアに向いています。

新しい​ことを​学ぶことが​苦に​ならない​人

最先端の技術であるAIは、今もなお急速に進化し続けており、新しいアルゴリズムや関連するツールなどが次々と登場しています。それら新しいことに対して常に興味を持ち、継続的に学んでいくことを楽しいと思える人は、AIエンジニアに向いているといえます。

まとめ

ここまで、AIエンジニアの仕事内容や年収相場、必要な知識・スキル、おすすめの資格などをご紹介しました。AIを活用した技術は、今後社会に不可欠なものとなっていくことが予想されます。それに伴って、AIエンジニアの需要はさらに高まっていくことが考えられます。

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