
AI(人工知能)をいかに使うかは、今や企業の価値を大きく左右するビジネス戦略そのものといっても過言ではありません。AIをうまく使えば、人間の能力が及ばない高度なデータ分析によって、企業の業績をアップさせる可能性もあります。急速に進化するAI領域において、最先端の技術や手法を駆使して、ビジネスと社会にプラスの価値を提供するAIエンジニアに魅力を感じる方も多いのではないでしょうか。AIエンジニアとして活躍する社員に、転職を志した経緯や具体的な仕事内容、Sky株式会社の特色などについて聞きました。
クライアント・システム開発事業部 技術部 エンベデッドソリューショングループ キャリア採用社員
大学の工学部で材料系の研究に従事した後、新卒で鉄道業界に就職。学生時代に学んだ画像処理のスキルを生かし、車両検査を自動化するアルゴリズムを検討するなど、AIを活用した自動化技術に携わる。核となる専門性を磨きつつジェネラリストとして活躍できる環境を求め、2022年にSky株式会社へ転職。
専門性を軸に、ジェネラリストとしてキャリアを築きたい
前職でのお仕事の内容について教えてください
前職は鉄道業界で、AIや画像処理の技術を用いて鉄道車両を検査するシステムの研究開発をしていました。具体的には、一つひとつ人間の目で確認している検査の工程をAIなどの技術によって代替し、省力化の推進や属人化の改善を図る取り組みです。
前職を選んだ理由について教えてください
大学と大学院は工学部で、材料の構造や機能からより良い使い方を探したり、材料を組み合わせることによって有効活用する方法を考えたりする材料系の研究をしていました。データを分析したり、画像処理にも関わったりする中で、AIエンジニアにつながる素地が身についたところはあると思います。こうした学生時代に学んだ知識を生かせそうな分野であったことと、鉄道が人々の生活に欠かせないインフラの一つであり、その安全性と快適性の向上に貢献できる仕事に魅力を感じたことが前職を選んだ大きな理由でした。
転職活動を始めた理由について教えてください
1年半ほど仕事をする中で、自分が将来的にどのようなキャリアを描きたいのかをあらためて考えてみた結果、AIや画像処理の専門性を軸として、ジェネラリストとしてキャリアを築きたいと思うようになりました。ですが、前職は原則としてジョブローテーション制で、転勤しながら2~3年ごとに担当する業務が変わる働き方だったので、AIの分野からは離れることになってしまいます。いろいろな業務に携わる中で発見できることもありそうでしたが、AIの知識と技術を磨きたいという気持ちが強く、転職することを決めました。AIは業界を問わず必要とされている技術なので、さまざまな業界の困り事に貢献できるのではないかと思ったことも、転職活動に踏み出すきっかけでした。
なぜ、Sky株式会社を選んだのでしょうか?
いろいろ迷ったのですが、最後の決め手は「ALL Sky」の文化でした。Sky株式会社は、チームで仕事を進めることを重視していて、その考え方は「ALL Sky」という言葉で全社に根づいています。転職活動をするにあたってチェックした転職サイトの口コミなどでも、Sky株式会社の強みの一つとして「ALL Sky」を挙げているのをいくつか見かけました。また、Sky株式会社で働いている知人にも聞いてみたところ、助け合いの文化が強いと聞き、企業のスローガンやビジョンのようなものが言葉として定着し、全員が当たり前のように実践していることに強い魅力を感じましたね。
実際、入社後にチームワークの良さや助け合いの気持ちを感じる瞬間は多く、とても働きやすい環境です。こちらが何も言わなくても「困っていることはないか」「何か助けになれることはないか」と気にかけてくれたり、相談に快く付き合ってくれたりする方が多く、尊敬しています。
関わったサービスの先にいる「誰か」の幸せがやりがいの一つ
入社後に携わった仕事について教えてください
いくつかありますが、一つはAIの精度向上に不可欠な教師データを作成するプロジェクトです。教師データというのは、AIの学習に使われるデータのことです。例えば、AIがさまざまな画像を見て、自転車を検出するためには、必要十分な量の自転車の画像と各画像に対して自転車の位置を付与したデータが必要となります。その後、上記データを繰り返し学習することで、AIが自転車の特徴を学習し、自転車の検出が可能になります。私は、このプロジェクトにリーダーとして携わり、実際のデータの作成やマネジメントを担当しました。
もう一つは、自社商品である営業支援 名刺管理サービス「SKYPCE(スカイピース)」におけるAIモデルの作成です。従来の「SKYPCE」では、名刺情報をデータ化する際、OCRと呼ばれる文字認識の技術について他社ライブラリを使用していました。OCRは、簡単にいうとスキャナーで読み込んだ画像のテキスト部分を文字データに変換する機能です。私が関わったプロジェクトでは、AI技術を活用したAI-OCRを独自開発することで精度向上を図り、他社ライブラリのOCRを置き換えることに成功しました。
OCRにAI技術を活用すると、どのような効果が期待できるのでしょうか?
まず、文字認識の精度が格段に上がります。それに伴って、チェックに関わる人の作業効率の改善が可能です。データ化の性質上どうしても人の確認が不可欠なのですが、AIモデルで文字の認識率が99%に上がれば、作業者の確認と修正の負担はかなり減ります。ユーザーが直接AIモデルを使うわけではありませんが、「SKYPCE」が多くのユーザーの業務改善に役立ってほしいと思っています。
今は、どのような業務を担当しているのでしょうか?
自動運転システムにおけるAIモデルの構築を担当しています。自動運転システムでは、車内に搭載したカメラやセンサーで取得されたデータをもとに、AIが車両を制御して走行します。このシステムにおいて、カメラに映し出されたものが何であるのかをAIに学ばせて判別させ、映し出された状況に応じた適切な判断や予測に基づく意思決定ができるようにするのが主な業務です。自動運転はこの数年で大きく進化した領域ですし、社会的な期待値が高い分野でもあるので、これからも引き続き携わっていきたいと考えています。
AIエンジニアとしてのやりがいを教えてください
多くのエンジニアに共通することだと思いますが、自社商品として世に出ていくものならそれを使う人たち、クライアントのサービスに関わる仕事ならクライアント、それぞれの幸せに貢献できていると感じたときに大きなやりがいを感じます。特に、今の仕事はクライアントと対話しながら一緒に課題を解決していくケースが多く、ポジティブな言葉を直接いただけるのがうれしいですね。
社内にも社外にも、AIの知見を磨ける環境がある
AIの技術や知見は、どのようにアップデートしているのでしょうか?
世界を見渡すと、アメリカや中国のAI技術はかなり進んでいます。そのため、自主学習として、世界の論文を読んで使えそうな技術を探したり、参考書を読んだりすることは大切ですね。ほかにも、オンライン動画学習サービスを活用したり、機械学習を学ぶ世界中の方が集まるプラットフォームに参加したりしています。機械学習を学ぶプラットフォームでは、企業などが提示したデータに対して、参加者がその予測の精度を競うコンペティションなどが開催されていて、自分の実力を客観的に認識することができます。エンジニア同士の交流も盛んで、AI技術のレベルが高い方に質問をしたり、フィードバックをもらったりすることも可能です。職場の仲間と参加していますが、まだまだスキル不足を実感することも多く、今後も継続してチャレンジしていきたいです。
社内にも、学び合う仕組みはありますか?
AIや画像認識に関わる業務をしているメンバーのチャットルームがあり、わからないことや業務上の困り事を気軽に投げ合って皆で解決しています。チームにこだわらず、「わかる人に聞こう」「聞かれたら答えよう」という風土があるのはSky株式会社の特徴であり、強みの一つです。また、全社員が日報を書き、社内で共有されるため、直接話をしたことがなくても業務の内容や悩み事、困り事などを知ることができます。日報に書いた内容を見た方からアドバイスをいただくこともあります。
最後に、Sky株式会社への応募を考えている方に向けて、メッセージをお願いします
転職するとき、人間関係になじめるかどうかが不安だという方は多いと思います。どんなにやりがいがある仕事でも、周囲の方と打ち解けられないと息苦しく、ストレスがたまりますよね。その点、Sky株式会社はコミュニケーションが活発で、新しい方を受け入れることにとても柔軟です。基本的に話しやすい方が多いので、キャリア入社の方もすぐに打ち解けられると思います。職場環境についてはあまり心配しすぎずに、Sky株式会社でご自身のやりたいことを思い切り追求してみてください。
▼AIエンジニアについて詳しくは、こちらの記事をご覧ください
AIエンジニアとは? 仕事内容や必要な資格・スキルを紹介!
AIエンジニアに聞く3つの質問
先輩社員がすごいと感じたことを教えてください
技術的な知識の引き出しが多い点です。自分では解決法がないと思って相談すると、違った角度からの解決法をアドバイスしてもらえて、知識の幅が広い点がすごいと感じました。
自身の仕事に感じる魅力や、やりがいを教えてください
自動運転分野の技術は日々アップデートされていくため、新しい技術に触れることができる点に魅力を感じます。また、お客様と議論しながら業務を進めているため、お客様の力になれたときにやりがいを感じます。
5年後、どんな仕事をしていたいですか?
画像処理やAIの技術を駆使して、社会の課題を解決できるような仕事をしていたいです。分野的には、もともと自動運転にも興味があったので、自動運転のアルゴリズムに携わることができていたらいいなと思います。