AIとは
そもそもAIとは「Artificial Intelligence(アーティフィシャル・インテリジェンス)」の略であり、コンピューターが人間のように学習・推論・判断・認識などを行う技術の総称で、日本語では「人工知能」と呼ばれます。AIの種類は大きく2つに分かれています。
1:人間と同等の知能を持つもの(コンピューターに答えを出させる)
2:人間が行う知的な活動を模倣するもの(コンピューターに答えの出し方を考えさせる)
近年、実際に行われているAI研究では、「2:人間が行う知的な活動を模倣するもの」に焦点を当てられることが多いです。具体例として、「バーチャル・アシスタント」「GPSガイダンス」「自動運転技術」「生成AI」などの研究が挙げられます。
AIはまさに日進月歩で急速な進化を続けており、この時代の潮流に乗り遅れないためにもAIについて学習することはすべての人にとっての重要課題といっても過言ではありません。次項からはAIの基礎を学ぶ方法について解説していきます。
AIを勉強する主なメリット
AIがより身近な存在になった現代において、AIについて勉強することには大きな意義があります。ここでは、AIを勉強することで得られる主なメリットを3つご紹介します。
自分自身の市場価値を高め、収入アップが期待できる
自分の市場価値を高めることができ、収入が上がりやすくなることはAIを勉強する大きなメリットです。近年、IT人材の不足が問題となっているなかで、さらにAI技術の急速な進化に伴い、画像認識やデータサイエンスなどのAI人材の不足が、特に深刻な問題として取り沙汰されています。また、エンジニアに限らず、さまざまな職種でAIを的確に有効活用できるスキルを持った人材が求められるようになっています。
AI人材の需要は今後も高まり続けると予想されており、今AIを学び、実際の業務で活用できるスキルを身につけることは、自分の市場価値を高めることに直結します。結果として、より良い待遇のポジションに就ける可能性が高まり、収入アップも期待できます。
AI活用のスキルが上がる
もはや現代において、ビジネスとAIは切り離せません。AIを勉強してAIの活用スキルが向上すれば、「自社の事業にどうAIが活用できるのか」や「自分の仕事にどう生かせるのか」などを具体的にイメージできるようになります。こうした視点を持てるようになることは、日々の業務の生産性向上に大きく寄与します。
また、文部科学省が学校現場における生成AIの利活用に関する情報をまとめたWebサイトを公開し、学校教育のさまざまな場面で「ChatGPT」や「Google Gemini」などの生成AIが取り入れられるなど、日常生活でもAIと接する機会が確実に増えています。あらゆる場面で「AIをどう活用するか」を問われる今、AIを勉強し、AI活用のスキルを上げることに大きな価値があります。
将来のキャリアの備えになる
AIについて学習を深めることは、将来的なキャリアのリスクヘッジにもなります。AIが進化し続けている環境において、これまで人間が行ってきた仕事がAIに取って代わられるという懸念を抱いている人も少なくありません。そうしたなかでAIを勉強し、AIをうまく活用するスキルを身につけておくことは、将来的なキャリアの備えになります。
AIの発展が著しく、キャリアに不安を抱えがちな現代だからこそ、積極的にAIを勉強して将来に備えておくことのメリットは大きいといえます。
AIの学習におすすめの勉強方法
AIについて勉強するには、書籍やオンラインサービス、スクールなど、さまざまな方法が挙げられます。効果的に学習を進めるためにも、自分に合った勉強方法を採用することが重要です。ここではお勧めの勉強方法をご紹介します。
書籍を読んで自分で勉強する
書籍での勉強は、場所や時間を問わず、自分のペースでAIを学べる方法です。また、初期費用は書籍の購入費だけなので、初心者でも勉強を始めやすいという点もメリットです。
AI関連の書籍は、AIの基礎を学ぶものから専門的な内容を解説するものまで、数多く出版されています。これから勉強を始めるという方は、自分のAI分野に関する知識レベルを客観的に評価し、実際に書籍の内容に目を通して現在のレベルに適した内容の書籍を選ぶことが大切です。また、AI技術の進歩は極めて速いため、最新の情報を学べるように出版年を確認することも重要なポイントです。
オンラインサービスを活用して勉強する
オンラインサービスの活用もAIの勉強にお勧めです。インターネットにはあらゆる情報が公開されており、無料でも質の良い教材が見つかることがあります。ただし、インターネット上の情報は玉石混交であり、見つけた情報が古かったり、信ぴょう性に欠けたりする場合もあるため注意が必要です。
オンラインサービスを活用して勉強するメリットは、何より自宅にいながら自分のペースで勉強でき、必要に応じて学習サポートも受けられる点です。最近では、オンラインで学べるプラットフォームも充実しており、数多くの講座の中から自分の興味のある分野を重点的に学べます。
有料のオンラインサービスであっても、最初は無料で体験できるものも多くあります。まずはいろいろなサービスを体験し、その中から自分の知識レベルや勉強スタイルに合ったものを選ぶことが、勉強を継続していく上で大切です。
専門のスクールで体系的に勉強する
多少のお金をかけてでも効率良く勉強したいと考えている方は、専門のスクールを活用するのも一つの選択肢です。スクールでは、AIに関する知識を体系的に学べるようにカリキュラムが組まれています。そのため、独学で勉強を進めるよりも着実に学習を進められる可能性が高いです。
IT人材の需要の高まりにより、近年ではリスキリング(学び直し)を目的としてプログラミングなどの学習ができるスクールが増えています。実際に教室へ通って受講するタイプや、自宅から受講するオンデマンドタイプがあり、自分の生活環境に合わせてスクールを選べることも大きなポイントです。
ただし、書籍やオンラインサービスと比較すると、スクールで勉強するにはやや高額な受講料が必要です。あらかじめ授業料や教材費を確認し、費用対効果を考慮した上でスクールを選定することが大切です。
経済産業省「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」について
経済産業省は2023年より「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」を開始しています。これは、認定事業者からキャリア相談やリスキリング講座の受講、転職支援のサービスを一貫して受けられるもので、リスキリング講座の受講料に対して最大70%(上限56万円)の給付が受けられます。講座の中には、AIに関連したスキルが学べるものが複数あります。AIエンジニアとして転職を前提にAIを勉強したいという方は、こうした制度の活用も検討してみてください。
AI関連の資格取得を目指す
AIの勉強の効果的な進め方として、AI関連の資格取得を目指すという方法もあります。試験日という明確なゴールがあることで、学習計画が立てやすく、勉強に対するモチベーションも維持しやすいため、要領良く勉強を進めることが可能です。
AI関連の資格の具体例としては、一般社団法人日本ディープラーニング協会(JDLA)が認定している「G検定」(ジェネラリスト検定:すべてのビジネスパーソンが対象)や「E資格」(エンジニア資格:AI関連のITエンジニアが対象)、一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会が認定している「Pythonエンジニア認定試験」などが挙げられます。
また、結果として取得できた資格は、自分の知識やスキルを客観的に証明できる大きな武器となり、転職活動などでも効果的に活用できます。このように、勉強の効率化という側面だけでなく、取得した資格自体にも大きな価値があるということを踏まえると、資格取得を目指しながら勉強を進めることはとても効果的な勉強方法といえます。
一般社団法人日本ディープラーニング協会(JDLA)「E資格」受験資格について
前述の資格のうち、一般社団法人日本ディープラーニング協会(JDLA)の「E資格」については、受験資格を「JDLA認定プログラムを試験日の過去2年以内に修了していること」としており、E資格に特化した講座を修了していなければ受験することができません。なお、Sky株式会社は2024年7月に「E資格認定プログラム事業者」に認定されており、社内研修で認定プログラムを実施できる国内唯一の企業となりました。
エンジニアとしてAIを勉強するためのロードマップ(例)
ここからはより具体的に、エンジニアとしてAIを勉強するためのロードマップをご紹介します。「どういう順序で勉強をすれば良いのか」「各ステップのポイントは何か」などをステップごとにまとめています。
また、ここに挙げたロードマップはあくまで基本的な一例であり、独学で勉強を進めようとしている方向けのものです。専門のスクールなどに通う場合も含めて、学びたい分野や深めたいスキルによって具体的な勉強の進め方は異なります。いずれの場合も、自分の目標や興味に合わせて、計画的に学習を進めることが重要です。
STEP1:勉強する目的(ゴール)を明確にする
AIを勉強する上で最初に行うべきステップは、勉強する目的(ゴール)を明確に定めることです。ただ漠然と勉強をしているだけでは、自分が何のために勉強をしているのかがわからなくなり、モチベーションの低下や挫折につながってしまう恐れがあります。
また、一口にAIを勉強するといっても、自動運転技術・生成AI・翻訳サービスなどAIの活用範囲は多岐にわたり、興味や目標によって学習する内容は変化します。「どのような分野で活躍したいのか」「AIを使って何を作りたいのか」など、AIによって何をしたいのかを明確に目標として掲げることが重要です。明確に目的が決まっていれば、それに対する学習計画も立てやすく、効率的に勉強を進められます。
STEP2:AI学習の全体像を把握する
次のステップは、AI学習の全体像を把握することです。スクールなどに通う場合は事前に適切なカリキュラムが用意されているため、それに沿って学習を進められますが、独学で勉強する場合は自分で学習の流れを決める必要があります。前のステップで定めた目的を達成するためには、どのような知識やスキルを身につけなければならないのかをしっかり把握することが重要です。
学習の全体像が把握できたら、今度はそれを具体的な学習計画に落とし込みます。学習計画を立てる上で重要なポイントは、「目的・目標・期限を具体的な数字を使って決めること」「ほどよくプレッシャーのかかる目標にすること」「ゴールから逆算して計画を立てること」などが挙げられます。また、「ChatGPT」や「Google Gemini」などの生成AIに学習計画の立案をサポートしてもらうのも一つの方法です。
STEP3:数学や統計の知識を身につける
学習の全体像を把握し、学習計画を立てられたら、次は計画に沿って具体的に勉強を進めていく過程です。AIを勉強していく上で、まず数学や統計の知識を身につけることが重要です。なぜなら、AIやプログラミングの分野は、数学をはじめとした数理科学系の知識が深く関係しているからです。
具体的には、「微分積分」「線形代数(回帰分析)」「確率統計」といった分野を学習していくのがお勧めです。これらの知識があることで、AIがどのように学習して予測を行うかを理解しやすくなるほか、機械学習やディープラーニングの仕組みを理解する上でも非常に役立ちます。
数学や統計に関する知識がなくても、簡単なAIであればAIライブラリを使って開発できます。しかし、詳しい仕組みを理解し、より高度なモデルを実装したい場合には、数学や統計の知識が不可欠です。効率的にAIへの理解を深めるためにも、大学(初級)レベルの数学は一通り身につけておくことが推奨されています。
STEP4:プログラミング(Python)を学ぶ
次のステップでは、実際のAI開発で必要なプログラミング言語を学びます。AIの勉強においてプログラミング学習は避けては通れず、特にAI分野で広く使用されているプログラミング言語である「Python」の習得は必須です。Pythonは、文法も比較的シンプルで初心者でも理解しやすく汎用性が高いためWebアプリ開発などにも使われています。
PythonでAI開発を行うためには、AIライブラリの使い方を学ぶ必要があります。PythonにはAIに関するライブラリが数多くありますが、複雑な数値計算を行う「NumPy」、データ分析を行う「Pandas」、機械学習アルゴリズムを実装する「scikit-learn」などは特に使用頻度が高いライブラリです。
また、どのプログラミング言語でもいえることですが、理論を学ぶだけではなく、実際に手を動かしてコードを書いていくのが効果的な学習方法です。学習中に「このライブラリを使えば、こんなこともできるのでは」という思考で、積極的にアウトプットを繰り返すことが上達への近道といえます。
STEP5:機械学習の基礎を習得する
AIの勉強では、AIを実現するための中心的な技術の一つである「機械学習」への理解も必要不可欠です。機械学習とは、コンピューターが大量のデータからパターンやルールを学習することによって、未知のデータに関する識別や予測を実現するデータ解析技術のことを指します。
機械学習には「教師あり学習」「教師なし学習」「強化学習」などがあり、基本的な概念から理解していくのがわかりやすいです。機械学習の習得でも、プログラミングの学習と同様、理論の学習と並行しながら実装も繰り返し行うことで、より実践的なスキルを習得できます。
慣れてきたら、機械学習の発展形であるディープラーニングの学習へ進むこともお勧めです。ディープラーニングの基盤であるニューラルネットワークの仕組みを理解することで、より高度なモデルへの理解も深まります。
STEP6:実践を積む
ここまで学習を進められたら、ひたすら実践を繰り返すフェーズになります。ここまで学習してきた内容を実際の開発作業に生かすことで、さらに勉強すべき点を抽出できたり、現状の自分の開発レベルを客観的に確認したりすることが可能です。
具体的には、自分で機械学習やディープラーニングのAIモデルを構築し、一般的に公開されているデータセットを活用して実際に学習させてみることなどがお勧めです。その後、構築したAIモデルを評価することで、より一層AIに対して理解を深められます。
また、自分一人でAI開発を行うことで、構築したAIモデルをポートフォリオとしてためていくことも可能です。こうしたポートフォリオは、就職や転職の際に大きなアピールポイントとなります。STEP1で決めた目的(ゴール)を達成できる知識やスキルが身についたのかを確認する上でも、学んできたことの集大成としてぜひ一人での開発にチャレンジしてみてください。
AIを独学で勉強する際の注意点
スクールやコミュニティなどに所属しない場合、基本的には独学でAIの勉強を進めることになります。ただし、独学する際にはいくつか注意点があります。思わぬところで勉強が頓挫してしまわないよう、次のことを念頭に進めることが大切です。
疑問点の解消に時間がかかる
まず、独学の場合は疑問点の解消に時間がかかります。独学で勉強を進める場合、困ったときに相談したり質問したりできる相手がいないため、自ら解決方法を導き出す必要があります。
その過程で培われる調査力や問題解決力は、実際の業務でも必要な大きな力です。しかし、こと学習段階では、解決方法の正確性担保やモチベーション維持といった側面から、直面した疑問点に対して質問や相談ができる環境を確保した方が効果的に学習を進められます。特にAIに関する知識が乏しい初心者にとっては、完全に独学で勉強を進めることは困難な道のりになる可能性が高いです。
トラブルによって挫折しやすい
比較的小さなつまずきでも挫折しやすいことも、独学で勉強するときに注意すべき点といえます。前述のような疑問点の解消に時間がかかることにも関連しますが、学習中に何らかのトラブルが発生した場合、自分だけで解決するのが難しいことも少なくありません。その結果、学習に対するモチベーションが低下してしまい、途中で学習すること自体を諦めてしまう人も多いのが実情です。
また、AIの学習範囲は非常に広範であるため、学習途中で横道にそれてしまうなど、結局何を勉強したかったのかがわからなくなり、挫折してしまうケースも見受けられます。独学を継続するには、綿密な学習計画と強い精神力が必要です。
誤った知識をインプットしてしまう可能性がある
独学で勉強を進めると、誤った知識をインプットしてしまう可能性があることにも注意が必要です。独学の場合、自分が導き出した答えが正しいという保証を得ることが難しいです。仮に間違った答えを、正しいと思い込んでしまうと、その後の学習内容にも支障を来す可能性が高いです。
たとえ小さな誤解だったとしても、誤った認識をそのままにしておくと、ゆくゆくは大きな問題に発展してしまう恐れもあります。正確な知識を確実に習得したい場合は、最初からスクールや信頼できる教材を活用することが望ましいです。
AIの勉強を継続するためのポイント
AIの勉強は学ぶべき範囲が広い分、どうしても長期的な学習になります。最後に、AIの勉強を継続するためのポイントをご紹介します。
主なポイントとして、次の3点が挙げられます。
- 適切な目標設定と効率的な学習計画を立てること
- 学習コミュニティやメンターを活用してモチベーションを維持すること
- 実践的なアウトプット中心の勉強をすること
AIの勉強では、明確かつ適切な目標設定と、それを達成するための効率的な学習計画を立てることが非常に重要です。定期的に達成感を得られるように、大きな目標も小さく分割して、学習計画に盛り込むことがポイントになります。
また、学習コミュニティやメンターを活用することで、自分の勉強に対するモチベーションを維持しやすくなります。例えば、コミュニティサイトでユーザー同士の交流を行ったり、マッチングサービスでメンターを探したりするのも一つの方法です。
勉強したことを実践的にアウトプットすることは、知識の定着やモチベーション維持に大きく寄与します。ポートフォリオとしての作品制作のほか、ブログの執筆やプレゼンテーションなど、さまざまな形でアウトプットすることで、自分の成長を可視化できます。
まとめ
今回はAIの学習について、お勧めの勉強方法やロードマップ、独学時の注意点などをご紹介してきました。AIを効率的に勉強するには、自分に適した勉強法や学習の全体像を把握することが重要です。また、独学で勉強を継続するには、綿密な学習計画と強い精神力も求められるため、一朝一夕には習得できないのが現実です。
しかし、あらゆる場面で「AIをどう活用するのか」が問われるようになっている今、AIについて勉強することは非常に大きな意味があります。今回の記事の内容が、皆さまがAIを学習する上での手助けになりましたら幸いです。
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