5つのグループの連携強化によりエンジニアが実感した現場の変化とは?

5つのグループの連携強化によりエンジニアが実感した現場の変化とは?

2022年度、売上・利益ともに過去最高の業績を残したクライアント・システム開発事業部。車載システム開発に携わる3つのグループのキーパーソンに、好調な業績の背景や求める人材などについて語り合っていただきました。

  • 人物1
    クライアント・システム開発事業部 技術部
    カーエレクトロニクスグループ
    課長
    2003年にキャリア採用で入社。2018年に名古屋支社へ異動し、現在はAD / ADASの開発業務などに携わる。
  • 人物2
    クライアント・システム開発事業部 技術部
    ビジネスソリューショングループ
    課長代理
    2012年にキャリア採用で入社。2016年に名古屋支社へ異動し、車載関連のクラウドサービスの開発業務などに携わる。
  • 人物3
    クライアント・システム開発事業部 技術部
    評価/検証グループ
    課長
    2016年にキャリア採用で入社。名古屋支社で、車載関連の評価/検証業務に携わり、現在はマネジメントを担う。

クライアント・システム開発事業部内には、5つのグループがあり、それぞれに業務系システムの開発、組込みシステムの開発、評価/検証の案件に携わっています。 コロナ禍などで市場の先行きが不透明ななかでも、お客様のご要望にお応えするため、2022年度から新たに配置した「アカウントマネージャー」に、各グループが持つお客様の情報を集約。これまで以上に、知見の共有や日常レベルの情報交換が進み、各グループの垣根を越えた連携が可能になりました。

それぞれの​立場や​業務の​内容に​ついて​教えてください。

AD(自動運転) / ADAS(先進運転支援システム)の開発に携わるチームでプロジェクトマネージャー(以下、PM)をしています。現在は10チームほどを担当しており、チームによってはプロジェクトリーダー(以下、PL)の役割を担っているものもあります。

私は、業務系システムの開発などを請け負うビジネスソリューショングループ(以下、BSグループ)で、自動車におけるクラウドサービスを開発するチームのPLやPMをしています。例えば、自動車の各デバイスからクラウドにアップロードされたデータを見える化したり、解析したりするデータ基盤の開発です。10~15のプロジェクトを担当しています。

私には2つ役割があり、一つは評価/検証グループの中部エリアの統括です。メンバーのアサインをはじめ、お客様の拠点ごとに別々に働いているメンバーの結束を促すなど、働きやすい環境づくりに取り組んでいます。もう一つは、PMとしてお客様と自社の窓口になる役割で、現在は5つのお客様を担当しています。実際に手を動かす評価/検証業務以外の部分を担っているイメージです。

お二人は、マネジメントが中心となる役割を担われていますが、私は一部、設計や実装を行っているものもあります。できるだけ絞った部分を担当し、周りのメンバーに引き継いでいるところです。権限委譲が必要だと感じているのですが、BSグループの体制はこの10年で大きくなり、名古屋支社を含めグループ全体として若いメンバーが多いです。私が名古屋支社に異動してきた2016年にはメンバーは50名ほどでしたが、現在は約130名にまで増えました。またBSグループで対応できる業務の幅も大きく広がりました。

グループが​急成長しているのですね。​事業部と​しても​売上・利益ともに​過去最高と​なりました。​その​背景には​どういった​ことがあるのでしょうか。

1社のお客様の中に存在するさまざまなプロジェクトを、各グループがそれぞれの領域で担っています。一つのグループの業務が評価されることで、ほかのグループでの仕事につながっていることが大きいと思います。例えばカーエレクトロニクスグループ(以下、カーエレグループ)の開発業務に携わる技術者が、Sky株式会社ではクラウドサービスの開発や評価/検証業務のコンサルにも対応できることをお客様にお伝えすることで、新たな業務をお任せいただくことがあります。こうした現場営業が実を結んでいるのだと思います。

おっしゃるとおりですね。現場営業で案件の情報を収集して共有してもらっています。各グループが横の連携を取りながら営業をしていくことで、仕事が広がっていくパターンが多いです。また、お客様のパートナー企業評価制度で、弊社はトップクラスの評価をいただいており、お客様の中でも「Sky株式会社を使っていこう」という雰囲気があることも大きいです。

それはありがたいことですよね。弊社の一番の強みは柔軟性だと感じています。お客様のお困りごとに対して、細かなところまで先回りして配慮する。かゆいところに手を届かせる対応を積み重ね、信頼関係を築くことができているからこそ、お客様と話がしやすく、提案もしやすくなっているのだと思います。

アカウントマネージ​ャーが​置かれ、
案件に​ついて​検討段階から​各グループで
連携する​横軸が​できた

各グループは​どのように​連携されているのでしょうか。​「アカウントマネージャー」が​置かれた​ことで​変化は​ありましたか。

われわれが開発した車載ECU(電子制御ユニット)などを、評価/検証グループが検証するケースが多いので、アカウントマネージャーが置かれる以前から、評価/検証グループとは綿密なやりとりがありました。弊社には、お互いに助け合い、チームで業務に取り組む「ALL Sky」という企業文化が定着していて、常に横の連携は大事にしてきました。

とはいえ以前は、案件について自分たちの領域の中で検討を済ませてから、結論をほかのグループと共有していました。アカウントマネージャーが置かれ、現在は検討段階から各グループで連携する横軸ができたことが大きな変化だと感じています。

情報共有の質も高まったと思います。社内SNSのトークルームを使って、売上や利益などの数字も日常的に共有されるようになりました。また、ほかのグループの成功事例やノウハウを教えていただくことで、BSグループでももっと数字を積み上げていこうという気運が高まっているように感じます。さらに、それぞれのグループが現場で得た細かな情報も共有されるので、物事を多角的に、立体的に捉えられるようになったと思います。

アカウントマネージャーが設けられたのは、良いタイミングだったと思います。というのも近年、自動車をはじめ、あらゆる製品でソフトウェアの重要度が増しています。お客様の要望が広がっており、自分たちのグループが持つ技術だけではまかなえない部分が出てきたからです。そういったときには案件に合わせて、BSグループや、画像認識についての知見があるエンベデッドソリューショングループと連携しています。

確かにそうですね。カーエレグループから、クラウドの知見がある人材がほしいといった相談を受けることも多いです。いわゆる「自動車のスマホ化」が進むことで、これからはさらにソフトウェアの更新が容易になっていくため、開発のサイクルが短くなり、アジャイル開発をはじめ、「CI / CD(継続的インテグレーション / 続的デリバリー)」といわれる一連の工程に自動化を導入することが必要になっています。そういった領域は、BSグループが担当する部分なので、ほかのグループから相談を受けて対応したり、われわれが環境を作って実際の作業は評価/検証グループが担ったり、という連携も行っています。また、業務系のシステムは、スマートフォンでも使えるようにアプリ開発することも多いので、モバイルソリューショングループとの関わりも深いです。

各グループが「どう動くのか」を共有し、話し合い、知見を借り合うことができていますよね。そのほかにも、モデルベース開発のV字プロセスにおいて、V字の右下の「単体評価」はわれわれ開発者が担う部分ですが、メンバーのアサインが難しくなってくると、評価/検証グループのメンバーに加わってもらうこともあります。

確かに現場のメンバー同士でも、以前より横の連携を意識するようになっていると思います。また、これまでは各グループのトップが決裁権を持っていましたが、アカウントマネージャーというお客様に関わる全体を見通せるトップが決まったことで、動きやすくなったと実感しています。

アカウントマネージャーに相談すれば、各グループに声を掛けてもらえるので、効率的に横連携ができるようになり、全体を見通したアドバイスももらえるようになりました。

何よりもお客様の要望にお応えし、お客様の利益に向け、全体最適にしていこうと、グループの垣根なく取り組んでいくスタンスになっていますよね。そこがアカウントマネージャーが置かれた一番大きな変化かもしれません。

そのとおりです。新しいプロジェクトのメンバーのアサインについて、われわれのグループで案件をいただいたけれど、技術領域的にBSグループの協力が必要になるときは、一緒にお客様へ提案することもあります。提案の厚みが増し、これまで以上にお客様の要望にお応えできるようになりました。当初は、お客様の開発プロジェクトや評価/検証業務に、派遣や出向という形で、ピンポイントで入っていくというところからスタートしました。徐々に携わる範囲が広がり、各グループの連携が高まったことで、特定の領域だけでなく、一つの機種の開発を一括して請け負うといった案件にも挑戦していけるようになったと思います。

事業部が​発展してきているのですね。​そのなかで、​エンジニアと​して​Sky株式会社で​働く​魅力は​どういった​ことでしょうか。

ここまでお話ししてきたとおり、弊社には「ALL Sky」の文化があります。縦割りではないので、風通しが良く、働きやすい環境です。メンバー同士で積極的にコミュニケーションをとりながら業務に取り組んでいます。

社内にいるメンバー同士だけでなく、お客様先で作業するメンバーとの連携も密です。弊社は、社内SNSをはじめとするコミュニケーションツールが充実していることに加えて、コロナ禍でWeb会議システムも活用するようになりました。こうしたツールを使って気軽にコミュニケーションが取れるので、お客様先に常駐するメンバーと社内勤務のメンバーの間に垣根はなくなっていると思います。

あとは、技術領域が広く、成長できるチャンスがあることも魅力だと思います。

そうですね。先ほどから現場営業という言葉が出てきていますが、技術だけでなく、弊社では若手のうちから現場営業に取り組むので、自然と「商売」に関わるジェネラリストとして成長していけることも魅力だと思います。あとは、昔の開発現場では、残業して稼働を上げて……という働き方だったと思うのですが、「SOS制度」があり、負荷が高まるとアラートを上げて助け合うことができます。

それは弊社の改善文化のたまものですね。SOS制度の導入当初は、そううまくは回っていませんでした。改善を重ねて、早めにアラートを上げることが根づいた結果、初動が早くなり対応がスムーズになっています。

そうだったんですね。確かに、日々業務を改善していくことは弊社の文化の一つです。また、手を上げたらチャンスをもらえる会社でもあります。以前会社で人型ロボットの「Pepper」を購入したことがありました。興味があったので、社内で勉強会を開いたら、展示会でPepperを使うので協力してほしいと、声を掛けていただいたんです。発信していると、チャンスがもらえるというのはやりがいになります。

そういった前向きな挑戦をきちんと評価してくれる人事評価制度も充実していると思います。実力主義で、実績を残せば半期に一度の査定で昇格のチャンスがあります。活躍する社員や部署の表彰、査定以外でも頑張る社員を日常的に評価する「インセンティブ」制度もあります。

そうですね。半期に一度、目標の設定や結果についてフィードバックしていただける面談があり、成長するためのフォローもしっかりしています。評価の軸がオープンなので、どのような成果を残せば評価されるのか明確で目標を立てやすいです。

情報は常にオープンにされる環境ですよね。社長が社員に向けて、日々ブログなどを通じて情報発信されています。みんなが同じ方向に向かって進むことができているのも特長です。

共に​挑戦し、​変化していく​ことを
楽しめる方と​一緒に​働きたい

では​最後に​求める​人材に​ついて​教えてください。

冒頭でお話ししましたが、BSグループは急速に組織が大きくなり、若手の多いグループです。お客様の窓口やチームマネジメントを行う層が不足しているという課題があります。そういった層を担える方に来ていただきたいですね。

われわれのグループでも中間層が不足していることに苦労しています。マネジメント経験のある方は弊社で活躍できる場面があります。

どのグループも同じような課題があるんですね。われわれも、新卒入社のメンバーをマネージャーの役割を担える人材へ育成することが課題です。この解決には、キャリア採用がキーポイントになると思います。ぜひ、そこの育成を担っていただきたい。ですが、育成経験が豊富な方に限らず、若い方でも、マネージャーに上がっていきたいという気概のある方はぜひ、一緒に働きたいとも思っています。

確かに、上昇志向があることは大切ですね。常に挑戦する姿勢で業務に取り組んでいける方がいいです。

挑戦しようとする意欲は本当に重要です。新しい技術は次々に出てきます。わからなくても、挑戦しようという思いで臆することなく周りとコミュニケーションを取っていかなければなりません。前向きに挑戦し続ければ、必然的に上に上がっていけると思いますよ。

そうですね。技術の幅はさらに広がっていきます。BSグループでいうと、DXの分野や、「CASE※」の進化によるエネルギーマネジメント、スマートシティなどさまざまなニーズが出てきています。そういった社会の変化にもしっかりとアンテナを張っておくことが求められると思います。これからさらに、クライアント・システム開発事業部そしてSky株式会社が大きくなるために、共に挑戦し、変化していくことを楽しめる方と一緒に働きたいです。
※C(Connected):自動車のIoT、 A(Autonomous):自動運転、 S(Shared & Services):所有から共有へ、 E(Electric):電気自動車の頭文字を取った造語です。

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