AIを用いた画像認識・データ分析を中心に拡大

AI・画像認識

AIを用いた画像認識・データ分析を中心に拡大
  • クライアント・システム開発事業部 技術部 エンベデッドソリューショングループ課長
    2004年に新卒採用で入社。携帯電話やデジタル複合機の組込みソフトウェアの開発に携わる。2016年より画像認識に関わる活動を開始。現在は、AI、画像認識関連業務の責任者として技術確立、営業活動、戦略立案を担う。

実用的な​領域で​AIを​活用する​技術を
開発案件の​中で​生かしていく

AI・画像認識を​手掛ける​きっかけは​展示会への​出展

弊社のエンベデッドソリューショングループでは、AIや画像認識を活用したシステムの開発に携わっており、車載や医療、FA、オフィスなど、さまざまな分野に広がっています。

実は、その発端は組込み技術を中心とした大型展示会でした。弊社出展ブースの一角に、画像認識技術を用いた指文字認識と顔認識のサンプルを参考出展したのですが、それらが最も注目を集め、多くのお客様が興味を持ってくださいました。画像認識に対するニーズの高まりが感じられたことで、独自のカリキュラムを作成し、画像認識のエンジニアの育成に取り組みました。

当初は、Intel社が開発・公開したオープンソースの画像認識ライブラリ「OpenCV」を活用するような従来型の画像認識からスタートしました。その後、「機械学習」や「ディープラーニング」など、AI技術を活用した画像認識にも取り組むようになりました。

初めは、年間1億円程度の売上規模からスタートしたのですが、そこから少しずつエンジニアの育成と開発案件の獲得を積み重ねてきました。そして、2021年度にはAI技術者が約110名、画像認識技術者が約200名の体制となり、売上も年間15億円を超える規模にまで拡大しています。今後は画像認識のみならずデータ分析など幅広い領域でAI技術を活用していきたいと考えています。

専門家の​顧問就任に​より、​弊社の​AI技術が​飛躍的に​向上

弊社がAI技術を習得する上で、2017年に国立研究開発法人理化学研究所 計算科学研究センターの松岡 聡センター長が、弊社の顧問に就任されたことが非常に大きかったです。松岡顧問は、毎月の定例会を通じて弊社エンジニアにAIに関する知見を教授してくださり、弊社の技術は飛躍的に向上しました。またNVIDIA社をはじめ、Intel社やAMD社といったAIの活用に欠かせないチップメーカーとの関係構築にも助力いただきました。

顧問
国立研究開発法人理化学研究所
計算科学研究センター センター長
東京工業大学 特任教授
松岡 聡 氏

東京大学理学系研究科情報科学専攻、博士(理学、1993年)。2001年より東京工業大学・学術国際情報センター教授。2017年より産業技術総合研究所(AIST)・東京工業大学RWBC-OILラボ長、2018年より現職。世界ランキング首位となったスーパーコンピュータ「富岳」の開発において、センター長として中核的な役割を担う。


こうした取り組みが功を奏し、AIを活用した開発の案件規模は年々拡大しています。現在は、ADAS / ADなどのカーエレクトロニクス分野を中心に、さまざまな製品の開発にAI技術を用いています。

例えば、防犯カメラ等で人物を動画撮影するときに、人が移動することによってカメラと被写体の距離が変わってしまっても焦点を合わせ続けられるよう、画像認識によって対象の人物を追従して自動的にフォーカス調整するような仕組みもその一つです。また、品物を自動識別するようなシステムは、従来は識別用のタグなどを仕込み、それを読み取ることで実現していましたが、画像認識であれば形状や色などを手掛かりに自動識別できます。

そのほか、数値データを用いたデータ分析のご要望が高まってきていることから、現在はデータ分析の領域にも注力しています。例えば、生産ライン上の異常検知、機器の故障予測といった数値予測や、工業機械などの最適なパラメータ設定を求める数理最適化に活用されるソリューションです。

より​実用的な​領域で​AIを​活用し、​モノづくりに​携わる

弊社のAI技術は、ADASやADなどの自動車関連の開発のほか、医用画像を用いた診断支援システム、外観検査や人流解析システムなどの開発の中で活用されるもので、研究開発としてAI技術を追究するという類いのものではありません。一般的にAIは研究要素が多い分野ですが、黙々と技術を突き詰めていくタイプの方は、弊社にはマッチしにくいと思います。ですから、採用選考においても「チーム活動ができるか」を重視しています。また、「商売の観点」も重要な要件です。担当する開発案件では、どのくらいの利益が出るのか、実績として残せるものなのかという商売の観点は欠かせません。

例えばADASなどの開発の場合、全体で数百人から数千人のエンジニアが開発に携わりますが、その中の1チームに所属して仕事をすることになります。ですから、より実用的な領域でAIを活用していく技術を身につけたいという方には、挑戦できるフィールドが広くあると思います。ターゲットは、エッジデバイスやクラウド、Webフロントエンドやスマートフォンなど幅広いので、これらの中で得意分野を持つ方なら、AIの経験が豊富でなくてもチャレンジしていただける環境です。極端に言えば、AIはまだ自己学習レベルでも、Webフロントエンドに強いという一芸がある方であれば、活躍できる場がきっとあります。

一方で、弊社がこれから伸ばしたい領域の知見や経験をお持ちの方には、弊社の中でトップランナーとなって、新たな事業拡大に取り組んでいただくことも可能です。現在、新たに注力しているデータ分析の領域以外にも、音声認識や自然言語処理、3D点群処理、シミュレーターやCGなどの知見をお持ちの方は歓迎です。

いずれにしても、AIはまだまだ発展途上の技術であり、弊社の中でも伸ばしていかねばならない領域です。だからこそ、自分自身の手で挑戦するフィールドを広げていける分野だと思いますので、ぜひ優秀なエンジニアをご紹介いただければ幸いです。

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