

2021年12月
「Dream3000↑」達成の鍵を握る
ビジネスソリューショングループのこれまでの10年とこれからの10年
創業以来、組込みソフトウェア開発と自社パッケージ商品開発を事業の柱としてきたSky株式会社は、約10年前に業務系システム市場に本格参入。
今や売上高100億円を見込む事業にまで発展を遂げました。
その背景と、さらなる飛躍のために求める人材像についてビジネスソリューショングループのキーマンが語り合いました。
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クライアント・システム開発事業部
技術部 ビジネスソリューショングループ
事業部長
1999年に新卒採用で入社。通信プロトコル・近距離無線等のシステムのベースポーティング、デバイスドライバ開発などに携わり、プロジェクトマネージャーを経て、業務系・Web系開発部門責任者として組織づくり、戦略立案を担う。

クライアント・システム開発事業部
技術部 ビジネスソリューショングループ
課長
2004年にキャリア採用で入社。オープン系システムを中心に20年以上ソフトウェア開発に携わる。直近では、ビッグデータ分析基盤の構築において、自社商品のログを活用した分析サービスの展開とお客様へのデータ分析基盤構築支援を推進。

クライアント・システム開発事業部
技術部 ビジネスソリューショングループ
課長
2010年にキャリア採用で入社。オープン系システムでソフトウェアの開発、保守・運用を経験。現在は、クラウドインフラ領域の責任者として、お客様が運用するシステムのクラウド化支援や、クラウド基盤構築プロジェクトに従事。

クライアント・システム開発事業部
技術部 ビジネスソリューショングループ
課長
2011年にキャリア採用で入社。ERPパッケージ導入コンサルタントとして、さまざまな導入プロジェクトを経て、現在はERP・基幹系システム領域の責任者として、業務コンサルティング、ERP導入・開発プロジェクトに携わる。
組込みソフトウェア開発との違いに、
みんなの中に戸惑いがあったのは確かです。

ビジネスソリューショングループの黎明期
ビジネスソリューショングループは、大きな組織に発展しましたね。
今でこそ、ビジネスソリューショングループ(以下、BS)も大所帯になりましたが、以前は小さな組織で、非常に厳しい状況が続いていたんですよ。
そうですね。当初「ビジネスシステムグループ」として組織を立ち上げてから、しばらくの間は赤字が続いていましたし。
私がBSを担当することになったのが、ちょうど10年くらい前でした。
当時は、組込みソフトウェア開発が事業の中心で、業務系システムの分野はまだまだスタートラインという状態でした。
「SKYMENU Pro」は高いシェアを獲得しており、「SKYSEA Client View」も伸び盛り。メーカーとしても、広く認知されるようになってきたので、さらなる事業拡大のためにも、業務系システムの市場への参入は重要でした。
市場規模でいえば、組込みソフトウェア開発の5~10倍と言われています。それだけに競合となる企業も多く、後発組の私たちは苦戦していました。
ある意味、それまでは組込みソフトウェアというニッチな領域で、事業を伸ばしてきたとも言えますね。
当時は、小さな案件を掘り起こして、それを獲得し、開発するという自転車操業的な状況で、すごく大変でした(笑)
組込みソフトウェア開発なら、実績をベースに新しい技術を取り入れて、経験を積み上げていけますし、開発案件に携わるごとにお客様との関係も深まりますが、同じようにはいかない部分が多くて、戸惑いがあったのは確かです。
入社後に活躍してもらいたいからこそ、
「社風に合う」ことは絶対に外せない条件です。

事業規模の拡大、その最大の鍵は「採用」
そうした状態から、約10年間で現在の規模に発展したのはなぜですか?
私が担当するようになって、2年間くらいは同じような状況が続いていました。当時と今で最も変わったのは「採用」ですね。
まず、経験が豊富な30代半ばのSEの採用に注力したんです。仕事を獲得する前に、人に投資する方向にかじを切ったということですね。
現場面接はすべて、私一人で担当しました。そのときに、会社として決まっていたのが「社風に合わない人は採用しない」という一点です。
それは、私たちが現場面接を担当するようになった今でも変わらないですね。
30代半ばのSEというと、技術的にも成熟した人が多いので、事業を立ち上げようという段階の会社を志望する人は、少なかったんじゃないですか?
そのとおりです。ですから、人材紹介会社様に向けて、「これから、こういう事業に注力する」「こういう技術や経験を持った人材を採用したい」と明確にお伝えするようになったのは、このあたりからです。今では、人材紹介会社様向けに「事業説明会」も行い、具体的な人材像を詳細に共有していますよね。
人材紹介会社様への働きかけも功を奏し、応募者は増えてきました。しかし、技術レベル的には合格レベルでも、社風に合わない方もいらっしゃいます。
当時は、喉から手が出るくらい経験のある人材が欲しかった時期だと思いますが、そういう方は、どう判断したんですか?
残念ながら、泣く泣くお見送りです。やはり入社して仲間になる以上、長く働いてほしいですし、力を発揮してもらいたい。そのためにも「社風に合う」ことは、絶対に外せないと思っています。
なるほど。そうやって人物面をしっかりと評価して、採用を進めてくれていたから、現場でも大きな混乱がなかったのかもしれません。
うちの技術者はキャリア採用で入社した人が多いので、かえってみんなで協力して盛り立てていこうという雰囲気があったのだと思います。
私たちも、現場面接に臨むときには、あらためて心掛けたいですね。


BSの第2成長期、売上高100億円へ
新しい人材が増えたことで、どんな変化につながりましたか?
新しく入った人には、Sky株式会社が経験やノウハウを持たなかった部分を補ってもらい、初めから現場を切り盛りする立場で活躍してもらいました。
従来の組込み分野でお取り引きしてきたお客様や、ICTソリューション事業部のお客様など、さまざまなお客様から開発案件をいただきながら、どんどん拡大していく起爆剤となりましたね。
特に東京エリアでは、開発人員が飛躍的に増えました。開発案件が多く、技術者も多いので、事業規模も開発体制も見る見るうちに大きくなっていき、大阪エリアを超えましたね。
今では東京エリアが3、大阪エリアが2、名古屋エリアが1くらいの比率ですね。
当初10人くらいでスタートしたBSは、10年前に20~30名くらいの規模まで発展しましたが、さらに今では社員だけで約450名、パートナー様を含めると800名くらいの規模になっています。
今期は、売上高も100億円を超える見込みなので、この10年間は、BSの第2成長期だと言っても過言ではないと思います。
そういえば、当時はキャリア採用で入社された方は、役職としては全員が「一般」からのスタートでしたね。
Sky株式会社では、原則としてみんな同じポジションでのスタートですが、会社として「実力に見合った立場で働ける環境」を大事にしているので、入社後に活躍した人は社歴に関係なく昇格しています。
春と秋に昇格のタイミングが2回あるし、抜擢人事で2段階昇格することもあるので、特に早い人は2~3年で管理職になっている人もいますね。
今は、一部エグゼクティブ採用も行っているので、少し状況は違いますが、まだまだSEやリーダーが足りていないので、実力に応じた立場で働いてもらえると思います。
実力主義の人事は、会社が大事にしている方針の一つですから、これから入社する方にも、ぜひ力を発揮して活躍してもらいたいと思います。

次の10年に向けて、今求める人材は?
グループとして発展を遂げた今、求める人材に変化はありますか?
今でも、求める人材像は基本的に変わりません。キャリア採用の主軸は30代半ばのSE層です。
会社として新卒採用に注力してきたことで、新卒入社6年以内という若手PG層の開発人員は充実していますしね。
そうですね。その背景もあり20代後半のPG'やSEまで一歩手前といった方の採用は、正直なところ難しいかもしれません。
一時、20代後半の経験者の方を採用していた時期もあったのですが、会社のスピード感や技術レベルについていくことができず、退職される方もいました。
先ほども言いましたが、できれば長く在籍して、チームの中で活躍してもらいたいと思っています。社風にマッチした人材が力を合わせて、全員で事業を大きくしていくことにこだわっているからです。
むしろ、経験が浅くても育成すれば伸びるような20代前半の第2新卒の方などを、エッグ社員として採用してから、Sky株式会社へ登用していくことはできると思いますね。
いずれにしても、基本的にはリーダー・SE層の人材で、自分の得意分野をしっかりとお持ちの方が望ましいことは確かです。
事業活動では10億円、100億円、300億円というのが節目だと思います。しかし、300億円規模を実現するには、これまでの延長ではなく、さらに大きな変化が必要なため、リーダー層が活躍する場はまだまだあります。
BSにとって次の目標となる売上300億円規模を目指すために必要なことを考えたとき、より特徴的でエッジの効いた得意分野を伸ばしていくことが大事だと思っています。
それが、私たちが取り組むクラウド。具体的にはクラウドインフラやデータ分析、ERPの領域です。
今はパッケージソフトウェアもクラウド化が進んでいますし、データレイクにデータをどんどん上げていこうという流れになっています。
中央省庁や地方自治体でも「クラウド・バイ・デフォルト原則」に則して、AWSなどのクラウドの利用が加速しています。民間企業でも、新たな経営課題としてDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進が求められており、クラウド化の潮流はますます大きくなっていくと思います。
「クラウド」を軸として、さらなる発展を目指す
クラウドインフラの領域では、どんな強みがあるのでしょうか?
一般にインフラの技術は裾野も広く、競合も多い領域です。しかし、従来インフラを得意としてきた専門の会社などは、クラウドを扱い慣れていないとも言えます。
新たにクラウドインフラのセクションを立ち上げている会社も多いですよね。
クラウドインフラの領域では、競合と比べて、どんなアドバンテージがあるんですか?
Sky株式会社はインフラという領域では、後発であることは確かです。ですが、後発だけに初めからクラウドインフラに一丸となって取り組んできましたのでセクションの垣根は存在しません。それが、強みの一つになっています。
もともと「ALL Sky」という言葉に象徴されるように、多くの部門が垣根を越えて協力し合う文化が根づいていますしね。
新しい領域なので、現場で仕事をしながら知識を吸収し、自らスキルアップに取り組むような人が多いのも、私たちの特長の一つだと思います。インフラという概念だけにとらわれずに、幅広い視野でシステムを見ることができる人には、すごく合っている環境だと思います。

データ分析が注目されるのは、どんな背景があるからですか?
今、ビッグデータをどう経営判断に役立てていくかということが、とても注目されているからだと思います。
ビッグデータを処理するためのサービスも充実しています。しかし、それを適切に選択し、使いこなすのは簡単なことではありません。
何がきっかけになり、そういう経験やノウハウを蓄積していったのですか?
もともと、社内に技術を持った人材がいたのですが、ちょうど、自社商品の「SKYSEA Client View」が収集した膨大な操作ログから、傾向を分析したいという要望が、社内で高まっていたんです。
ビッグデータというと最低でも億レコード以上のデータですよね。机上の知識だけで、それを最適な形にすることは難しい。社内に生きたビッグデータがあり、それを活用して経験を積めたのは大きいですね。
そういう経験ベースで提案ができることで「それなら、この件をお願いしたい」と案件が発生することも少なくありませんでした。DBの経験がある人なら、膨大で雑多なデータを、お客様が活用できるよう成形し、処理する技術は面白いと感じてもらえると思います。
クラウド分野で特に注力している3つの領域
Sky株式会社は、IaaS領域ではお客様の目的に応じてクラウド活用の基盤を構築する「クラウドインフラ」、PaaS領域では組織内に散在するビッグデータを経営判断に生かせるよう成形・分析する「データ分析」、SaaS領域ではさまざまなソリューションを有効に組み合わせてお客様の課題解決をお手伝いする「ERP」の3つの領域に特に注力しています。


ERPは先に挙げた2つよりも以前からある領域ですよね?
ERP自体は歴史があるものですので、社内にも経験者がいましたし、採用市場にも経験者が多いと思います。これは、ほかの2つとは違うかもしれません。
初めは、これまで内製していた自社の顧客管理システムを、パッケージソフトウェアに入れ替えることから始めたんですよね。
そうです。社内で一度経験を積んだのは、データ分析の初期の取り組みと同じです。
知識があるだけではなく、経験があるということが新しい仕事を獲得する足掛かりになりますからね。
はい。そして今は、財務会計や販売 / 購買、在庫管理などを中心に取り組んでいます。しかし、導入コンサルタントができる人材は、まだまだ足りていないのが実情ですね。
でも、そういうスキルを持った即戦力の人材は、なかなか採用市場には出てこないですよね。
今は、エグゼクティブ採用も行っているので、豊富な経験を新しい組織で生かしたいという方を採用したいと考えています。
大手SIerでは、上位のポストが埋まっているというお話を聞きますので、自分が新しい組織を作ろうという意欲がある方は歓迎ですね。


SIerとしての十分な力を身につけて、
「Dream3000↑」の達成を目指しましょう。
最後に、今後の目標を聞かせてください。
今は案件獲得の角度が変わってきています。以前は、こうした技術を持つ経験者がいますというだけでも話ができましたが、業務の知識やより専門的な領域の経験が必要となっています。
だからこそ、Sky株式会社ならではの得意分野を伸ばす必要があるんですね。
組込みソフトウェア開発に長く携わってきたから、メーカーに関係する案件が多かったのですが、これからは通信サービスや社会インフラ、公共案件などさまざまに広げていくことが求められています。
ERPもそうですが、クラウドインフラやデータ分析などは、提案型の仕事をしていく上で、大きな柱になっていく領域ですので、これからも伸ばしていきたいと思います。
ICTソリューション事業部とのコラボレーションもさらに加速していき、SIerとして、十分な力を身につけて、第3の事業へと発展させたいですね。そして、われわれも「Dream3000↑」という大きな目標の達成に貢献できるよう、頑張っていきましょう。