社会におけるITの急激な発展とともに、常に激しい競争が続くIT業界では、「ブラック企業」と呼ばれる企業が多く、逆に「ホワイト企業」は少ないと思われている方もいるかもしれません。しかし実際にはホワイト企業も多く存在しており、その特徴を把握した上で企業探しを進めれば、必ず自分に合った企業に巡り合うことができます。ここでは、ホワイト企業と呼ばれる企業の特徴やブラック企業との違い、ホワイト企業を見極めるためのポイントなどについてご紹介します。
IT業界はホワイト企業が少ないと言われる理由とは?
IT業界は、長時間労働で収入が少なく、離職率が高い、いわゆる「ブラック企業」が多いという声を耳にすることがあるかもしれません。しかし実際には、すべてのIT関連企業がブラック企業というわけではありません。システム開発では、クライアントから開発を受託した大きな企業が、さらに小さな企業に業務の一部を委託するスタイルで進められることがあり、これら下請けとなる企業では収入面を含めて労働条件が良くないケースもあります。その反面、IT業界の中でも大企業や就職人気企業といわれる企業では、ワークライフバランスもしっかり配慮されたホワイト企業も多く存在しており、ホワイトかブラックかは「あくまで企業による」というのが実情です。
ホワイトなIT企業の6つの特徴
IT業界において「ホワイト企業」と呼ばれる企業には、どのような特徴があるのでしょうか。ここでは社員育成、福利厚生、報酬や事業面など、各分野の6つの特徴についてご紹介します。
スキル向上につながる研修制度が充実している
エンジニアとして成長しキャリアアップしていくためには、実践的なスキルを継続して学ぶことができる環境が欠かせません。そのためにも、研修制度が充実していることは非常に重要な要素です。業務で必要なプログラミングについて、基礎知識から演習まで経験できる社内研修などが用意されているか、定期的な勉強会に参加することができるか、従業員に対するサポート体制が整備されているかなどをしっかりと確認した上で、企業を選ぶことをお勧めします。
福利厚生や休暇制度が整備されている
従業員に対する福利厚生が充実している企業ほど、仕事とプライベートのバランスを保ちながら働くことが可能になるため、福利厚生が充実しているかはホワイト企業を判断する基準として非常に重要です。リモートワークやフレックスタイム制度が導入されているか、産休・育休などの制度が充実しているか、家賃補助や資格取得支援などのサポート制度があるかも確認しておくとよいでしょう。企業によっては独自の休暇制度を設けている場合もあるため、確認しておきたいところです。
残業代がきちんと支給される
従業員に対して残業代が適切に支払われているかどうかも、ホワイト企業として重要な要素です。そして「残業時間に応じた」適切な給与が支払われることも重要です。いわゆる「みなし残業制」のように一定時間分の残業代が給与に含まれるかたちの場合、残業時間が上限を超えるとその分の残業代が支払われないケースがあるためです。ただし、みなし残業制であっても、実際に発生する残業代よりも支給される給与が多いこともあるため、情報収集をしっかりと行った上で判断することをお勧めします。
平均在籍年数が短くない
働きやすい労働環境が用意されており、従業員が納得できる待遇であれば、離職率は下がり、平均在籍年数も高くなると思われます。労働環境に不満がなくても職務内容が本人に合わず、数年で退職してしまう可能性もありますが、全体としての平均在籍年数にはそれほど影響しないと考えられます。また、会社の創業が近年であったり、新卒採用を最近になって積極的に行っているような企業であれば、平均在籍年数も短くなるため考慮が必要です。平均在籍年数については、厚生労働省が全国の平均勤続年数に関する調査結果を公表しているのでご参考ください。
独自サービスやプロダクトを開発している
独自の製品やサービスを開発・販売しているような企業では、従業員がプロジェクトに深く関わることができるため、達成感や満足感が得られやすい可能性があります。また、新しい商品や技術の開発に積極的な企業であれば、従業員も最先端のIT知識を身につける必要が出てくるため、自分自身の成長を感じ、おのずとやりがいも生まれてくると考えられます。ただし、このような企業としてのスタンスは、求人情報や企業のWebサイトだけでは具体的な内容が把握しづらいこともあるでしょう。そのような場合は、面接などの場で、面接官に対して率直に企業の姿勢や考え方について質問することをお勧めします。
評価制度が明確になっている
ホワイト企業かどうかの目安としては、従業員に対する評価制度も一つのポイントです。自分の日々の頑張りを正当に評価されればモチベーションは上がりますし、長くその会社で働きたいと感じるでしょう。年齢や役職によらず、明確な基準で評価を受けることができる制度が整っているか、企業側に確認してみることをお勧めします。
ブラックなIT企業を避けるために確認したい4つのポイント
これまで、ホワイト企業の主な特徴についてご紹介してきました。では逆に、「ブラック企業」と呼ばれる企業にはどのような特徴があるのでしょうか。確認しておきたい4つのポイントについて説明します。
大量採用や未経験採用の頻度が高い
求人広告に「未経験者歓迎」「大量採用」などの表現が多く見られる場合には、詳しく雇用条件や業務内容をチェックしたほうがよいでしょう。このような求人を出す企業では、経験を問わず常に多くの人員を確保しなければならないほど、離職率が高い可能性があるためです。「未経験者歓迎」と記載があっても、研修などのサポート体制が充実していれば問題ありませんが、技術者としての求人にもかかわらず就職後にまったく別の業務を担当させられる可能性もあるため、注意が必要です。
離職率が高い
離職率は数字で把握できるデータであるため、企業を判断する上で非常に明確な指針になり得ます。例えば入社して1~2年での離職が多いなど、従業員の在籍年数が短い(離職率が高い)企業はブラック企業である可能性があります。ただし、数年で辞めてしまう従業員のなかには、単に業務内容が本人に合わなかったことが原因で退職するケースもあるため、入社3年後の離職率を参考にすることをお勧めします。これら離職率は、就職四季報やハローワークの求人票、あるいは転職エージェントの情報などで確認することが可能です。
求人内容が詳細に記載されていない
企業のコーポレートサイトや求人広告の記載内容は、その企業の実態を把握する上でとても重要な役割を果たします。業務内容や報酬、雇用期間や福利厚生など、求人内容が詳しく適切に説明されていれば、企業の職場環境や体制が整備されており、安心して働くことができる可能性も高いといえます。逆に求人内容が詳細に記載されていない場合は、ブラック企業を避けるためにも、企業側やハローワークなどに問い合わせてしっかりと確認することをお勧めします。
面接時の対応が悪い
採用面接を受ける際に、面接官が横柄であったり、圧迫するような態度をとる企業は注意が必要です。面接の時点ではまだ企業と応募者はビジネスパートナーではありませんし、十分な信頼感がない段階で、お互いを尊重しない態度を取るようなことはあってはなりません。会社への適正を判断するために、面接官が意図的にこのような態度をとる可能性もありますが、そのような適正が求められる職場だという意味では「ブラック企業」である可能性が高いといえるでしょう。
ホワイトなIT企業を見極めるためにやるべき3つの手段
ここまで、IT企業におけるホワイト企業、ブラック企業の特徴をご紹介しましたが、実際にこれら特徴をどのように判断すればよいのでしょうか。ここではホワイト企業を見極める上でやるべき3つの手段についてご紹介します。
労働条件だけにとどまらない企業のリサーチを徹底する
ホワイト企業かどうかを判断するためには、労働条件だけでなく、その企業の社風や経営層の考え方なども含めてしっかりとリサーチすることをお勧めします。従業員を大切にする企業なのか、自分に合う働き方が可能かどうかも合わせて確認しておくとよいでしょう。大手企業や就職人気企業だったとしても、印象だけで甘く判断するのではなく、入念にリサーチし、離職率や業績といった明確な数字も合わせて確認することが重要です。
社員の声や口コミを参考にする
企業側が公開する情報だけでなく、現場の生の声や第三者の意見を参考にすることも、ホワイト企業を判断するためには重要です。企業や転職エージェントがWebサイトなどで紹介している社員インタビューや、口コミサイト、あるいはSNSなどで情報を集め、判断材料として活用します。ただし、口コミサイトやSNSの情報は必ずしもすべてが正確な情報だとは限りません。さまざまな媒体で広く情報を調べることで、偏りのない意見を集めることができるためお勧めです。
転職エージェントなどの専門家や第3者の意見も聞く
さまざまな企業の情報を持つ転職エージェントなどに、より具体的な実情を聞いてみるのもよいでしょう。転職エージェントは、IT業界全体の事情から個別の企業の状況まで、細やかに情報をおさえている可能性が高いためです。「月の平均残業時間は?」「評価制度はどのようなものか」「業界における立ち位置は?」など、直接企業に聞きづらいことも転職エージェントに質問することで答えてもらえたり、企業に確認を取ってもらえることも多いです。
Sky株式会社の「働き方改革」への取り組み
Sky株式会社では、政府が提唱する「働き方改革」の方針に賛同し、定時退社の実施や女性活躍支援など、従業員の働きやすさを向上するためのさまざまな取り組みを行っています。また、長時間残業やサービス残業の禁止徹底や、パワーハラスメントを起こさない職場環境づくり、多角的な視点で適正な人事評価を行うための360度評価制度の導入などを積極的に進めています。従業員の心身の健康を維持・増進し、社員一人ひとりが、安全・安心にやりがいを持って働ける職場環境の実現を重要課題と位置づけ、「ホワイト企業」を目指し取り組んでいます。各取り組みの詳細については、当社Webサイトをぜひご覧ください。
Sky株式会社の「働き方改革」への取り組みについて詳しく見る
まとめ
今回は、IT業界におけるホワイト企業の特徴や、ブラック企業との違い、ホワイト企業を見極めるためのポイントなどについてご紹介しました。大企業だから、就職人気企業だから安心ということではなく、今回ご紹介した内容を参考に、企業のWebサイトや転職エージェントからの情報、第三者の声も集めながらホワイト企業かどうかを判断し、働きやすい職場を見つけていただければ幸いです。